雲と積雪を見分ける宇宙の目、日射量が分かる太陽光(2/2 ページ)

» 2017年02月09日 13時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]
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可視光と近赤外光の性質の違いを生かした

 可視光とは太陽光線のうち、目に見える成分をいう。近赤外光は赤色よりも波長が長い光であり、目には見えない。しかし、ひまわり8号が搭載する観測装置は近赤外光を検出できる。

 可視光と近赤外光は、物体に入射したときの挙動がいくぶん異なる(図3)。図3上の左右に示したように、雲に対する挙動は同じだ。いずれも強く反射し、「白く」見える。ところが、積雪に対しては異なる。可視光は強く反射して白く見える一方、近赤外光は積雪に強く吸収されるため、「黒っぽく」見える。可視光画像と近赤外画像を比較すれば、どの部分が雲でどの部分が積雪なのか、判別できるという仕組みだ。

図3 可視光と近赤外光の性質の違いを利用した 出典:日本気象協会

 「新サービスは北海道や東北地方向けに提供を開始しており、今後、北陸地方や関東地方に拡大していく。SOLASAT-8 Now以外にも、日本気象協会では6時間後まで30分ごとの日射量を推定する『SOLASAT-Nowcast』サービスなどを提供している。こちらに対しても将来は近赤外光で得た情報を組み込んで行きたい」(日本気象協会)。なお、SOLASAT-8 Nowのサービス料金は、近赤外光データを使い始めた2月1日以降も変更していないという。

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