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» 2017年02月14日 06時00分 UPDATE

FM:竹中工務店がBIMに新手法、設備管理に必要な情報を見える化

竹中工務店は建物竣工後にBIMモデルを活用して、建築設備の管理・運用に必要な情報を見える化する手法を構築した。BIMを施設管理で活用し、竣工建物の維持管理の品質と効率の向上図る。まずは同社東関東支店の建物に適用し、導入効果の検証を進める計画だ。

[陰山遼将,BUILT]

 竹中工務店は、同社グループ会社で建物管理を主要業務とするアサヒファシリティズと連携し、建物竣工後にBIMモデルを活用して、建築設備の管理・運用に必要な情報を見える化する手法を構築した。BIMを施設管理で活用することで、竣工建物の維持管理の品質と効率の向上を目指すもので、同社東関東支店の建物で見える化の効果を検証・改善していく。

 従来、建築設備の管理・運用の際には、数あるバルブやスイッチの場所・影響範囲・操作手順などを把握したうえで、作業に当たる必要がある。しかし、これらを複数にわたる二次元の図面から読み解くのに要する手間と時間が大きな課題となっていた。そこで同社は、こうした設備の分かりにくさを改善するため、BIMソフトを活用し、「配管系統」や「電源回路」「バルブの影響範囲」を見える化するための属性(管理・運用に必要な情報)を与えたBIMモデリング手法を構築した。これにより、直観的かつ短時間で各設備の機能を把握することができ、管理者による迅速な対応と、ヒューマンエラーの防止につながる。

設備への影響をBIMモデルから判断できる(クリックで拡大) 出典:竹中工務店

 例えば、配管から万が一漏水した時にどこのバルブを閉めればよいかを「影響範囲」という属性をバルブに与えて見える化することで、誰でも瞬時に知ることができ、緊急時に迅速な対応が図れる。同様に、照明には「電源回路区分」や「点灯区分」という属性を付加し、機器メンテナンス時にどのブレーカーを切ればよいのかを正確に把握し、ヒューマンエラーによる感電事故を防止することが可能となる。

 実際に建物を管理・運用するのに当たって「メンテナンス時の間違い防止」、「緊急時の対応」、「取扱い説明や使い勝手の理解」に役立つよう、設備システムを見える化する。また今回は、BIMの特徴を施設管理で生かすために配管系統の見える化(メンテナンス時の間違い防止)、バルブの影響範囲の見える化(緊急時の対応性向上)、電源回路や照明の点滅区分の見える化(間違い防止、取扱い説明)の3点を構築した。

設備システムの見える化のイメージ(クリックで拡大) 出典:竹中工務店

 これまでの建物運用時におけるBIM活用の取り組みとして、BIMモデル上にさまざまな情報を入れ込んで履歴管理などに使う試みが行われている。アサヒファシリティズでは「AEGIS-M」というインターネット経由で各種情報を管理するシステムを運用しており、BIMモデル上の設備機器とAEGIS-Mのデータを関連付けることで、情報入力の手間削減とBIMモデルからの管理履歴確認も可能だ。

 今回は竣工後の各設備機能を見える化する取り組みだが、施工段階で同様の手法を用いて系統表示やシステムを見える化することで、施工管理、試験調整、取扱説明などでも活用することが可能とする。さらに、事業計画から設計施工、設備の維持管理にいたる建物のライフサイクル全体でBIMモデルを活用することで、品質と効率の向上を図るとともに、グループ協業での情報連携によるサービス向上を目指す。

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