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» 2017年02月15日 07時00分 UPDATE

エネルギー管理:ローソンがIoTで進化、電力コストを6割削減する新店舗

ローソンは慶應義塾大学SFC研究所と共同で、経済産業省の「バーチャルパワープラント構築実証事業」の一環として、IoTを活用して電力需要の制御などを行う新店舗を東京都内にオープンする。蓄電池や太陽光発電システム、省エネ機器などを遠隔制御し、電力購入量を2015年度の標準的な店舗の平均値に比べて、約6割削減できる見込みだという。今後のネガワット取引市場の創設を見据えた取り組みだ。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 コンビニ大手のローソンは、経済産業省の「VPP構築実証事業」の一環として、慶應義塾大学SFC研究所と共同で、IoT(Internet of Things)を活用して機器を制御し、電力リソースを創出する実証実験に着手する。バーチャルパワープラント(VPP)の技術や太陽光発電などを組み合わせることで、電力購入量を2015年度の標準的な店舗の平均値に比べて、約6割削減できる見込みだという。「VPP構築実証事業」にコンビニエンスストアが採択されるのは、今回が初の事例だ(図1)。

図1 実証を行う「ローソン小平天神町二丁目店」 出典:ローソン

 実証を行うのは東京都小平市にある「ローソン小平天神町二丁目店」。店舗に遠隔制御できる蓄電池と太陽光発電システムなどを導入し、店舗の電力需要をコントロールする。政府は2017年4月に節電した電力を取り引きできる、ネガワット取引市場を創設する予定だ。節電を行う需要家側は、市場で取り引きによって節電量に応じた対価が得られるようになる。ローソンはこの動きに先行するかたちで、店舗の電力需要の削減を実証する。

 実証を行う店舗には、屋根上に22kW(キロワット)相当の太陽光パネルを設置して発電を行う。10kW分は売電し、残る12kWは店舗の消費電力に充当する。蓄電池は容量5.6kWh(キロワット時)の「ECHONET Lite」に対応した製品を導入する。太陽光発電で発電した電力の充放電を遠隔制御でき、節電時にも活用する。

 この他、LED照明、自然循環換気、床下吸気による地熱利用、換気トップライトを導入し、店舗自体の省エネ性能を高めている。「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)」で最高ランクの5つ星およびZEB認証をコンビニエンスストアとして初めて取得している店舗だ。また、導入したLED照明、CO2冷媒を利用した冷凍冷蔵機、扉付CO2冷媒要冷ケース、放射パネル空調などもECHONET Liteに対応した製品を導入しており、遠隔制御により効率的に店舗の省エネを図れるようにした。

 同社は2008年以降、一部の店舗に店舗に創エネ設備や省エネ技術を導入し、環境配慮型店舗の実験・検証を進めてきた。この成果を生かし、既存店舗に太陽光発電システムやLED照明、CO2冷媒による冷凍・冷蔵機の導入を行っている。2017年1月末時点で太陽光発電システムの導入では約2000店舗、CO2冷媒を利用した冷凍冷蔵機は約1900店舗に導入した実績がある。

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