電力×コミュニティー―ファン囲い込み&コラボ型電力プラン3分で分かるこれからの電力業界(7)(3/3 ページ)

» 2017年02月16日 09時00分 公開
[江田健二スマートジャパン]
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会社選びのチェックポイント

 スポーツやエンタメ業界の会社と提携した「ファン囲い込み&コラボ型電力プラン」というビジネスモデルは、いわば“企画型のビジネスモデル”と位置付けることができます。従って、今後こうしたプランを中心に事業展開する電力会社が増えてきた場合、「その企画が将来にわたって継続性のあるものかどうか」といった点に注目する必要があります。思いつきの企画で継続性がない場合、その会社の事業継続にも影響を及ぼす可能性があるからです。

 異業種同士がコラボレーションを行うときには、「異業種同士がタッグを組んだ」という話題性だけでなく、その電力会社が顧客にとって価値のある新たなサービスを生み出せるかどうかが重要です。仮に電力商品との親和性が低いコンテンツと提携してしまった場合は、自社とコラボ先のお互いにとって不利益となるような結果になることも考えられます。会社選びの際には、その会社が提供する企画(プラン)が「取りあえず企画」「取りあえずコラボ」になっていないかを十分に吟味し、持続的な経営を行える会社かどうかを見極める必要があるでしょう。

 また特定の地域コミュニティーや、先に紹介した「みんな電力」のように特定の発電所を応援するプランを提供している会社であれば、応援対象となっているコミュニティーや人を、あなた自身も本当に応援したいという気持ちが強いかどうかも、会社選びの重要な基準になることは言うまでもありません。

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本稿は『3時間でわかるこれからの電力業界 ―マーケティング編― 5つのトレンドワードで見る電力ビジネスの未来』(江田健二 /一般社団法人エネルギー情報センター 著)からの転載です(アイティメディアの表記ルールに基づいて原本から表記を一部変更しています)。

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著者:江田健二氏
「環境・エネルギーに関する情報を客観的にわかりやすく広くつたえること」「デジタルテクノロジーと環境・エネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること」を目的に執筆/講演活動などを実施。 富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。 アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。 エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社のCRMプロジェクト、大手化学メーカーのSCMプロジェクトなどに参画。その後起業、環境・エネルギービジネスの推進や企業のCSR活動を支援している。 RAUL株式会社 代表取締役、一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人エコマート運営委員。

一般社団法人エネルギー情報センター
エネルギーに関する正しい情報を客観的に分かりやすく広くつたえること、ITとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造することを目的に設立、運営。多くの人・組織が共に学び、考え、協力していく『場』となるプラットフォームを提供していきます。
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