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» 2017年02月17日 10時00分 UPDATE

さまざまな用途に同時に対応、レドックスフロー電池

住友電気工業は、さまざまな用途に向く大型の「レドックスフロー電池」を開発、20年以上の実績を重ねてきた。2017年3月1日から3日まで、東京で開催される「スマートグリッドEXPO」では同電池を展示。部品供給などパートナーシップに興味のある企業を募る。

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図1 住友電気工業の徳丸亀鶴氏

 「大規模な蓄電に向く当社のレドックスフロー電池は、顧客が求めるさまざまな用途を同時に満たすことができる。火災リスクはゼロ、常温運転が可能で、寿命は20年間と長い」(住友電気工業 執行役員 エネルギーシステム事業開発部で次長を務める徳丸亀鶴氏、図1)。

 同社は、2017年3月1日から同3日まで東京ビッグサイトで開催される「スマートグリッドEXPO」(ブース番号:W6-72)に、レドックスフロー電池を展示。お客さまやパートナーシップ締結を希望するサプライヤー企業を求める。

 同社は「Smart Energy Innovator」としてレドックスフロー電池以外にも、家庭用リチウムイオン蓄電池「パワーデポIII」や、電力線通信技術を用いたメガソーラーの監視システム「SSMAP」などを展示する。

大規模用途に適する

 レドックスフロー電池の出力は、数百kWからMW級と大きい。容量が60MWhに達する事例もあり、産業用の大型電池に向く。火災リスクがないのは、不燃性の液体に電力を蓄えるためだ。電池の外観は、液体を蓄えるタンクと充放電を担うセルを組み合わせた形状を採る(図2)。

図2 レドックスフロー電池のタンクとセルの外観

さまざまな用途に応える

 多くの用途を同時に満たすとはどのような意味だろうか。レドックスフロー電池は、液体の分量が電池の容量を決め、セルの規模が出力を定める。従って顧客の要望に応じて最適なシステムを組みやすい。

 容量を使い切ることができる性質も役立つ。充電レベル(SoC:State Of Charge)を正確に測定しやすく、0〜100%の間で充電レベルを自在に利用できる*1)。このため、工場などの需要家が昼間の電力ピークを抑える「ピークカット」や「ピークシフト」に適している(図3の左)。

 レドックスフロー電池は、充放電にも特徴がある。システム耐久性を満たす20年以内であれば、何度充放電を繰り返しても性能を維持できることだ。太陽光発電で起こりがちな短時間の出力変動の抑制に役立つ性質だ(図3の中央)。電力会社や、風力・太陽光発電事業者に向く。

 入出力の応答時間も短い。「ミリ秒単位の充放電が可能だ。パワーコンディショナーの性能が応答時間を律速する」(徳丸氏)。太陽光・風力の他、瞬低対策にも適する。

 事業継続計画(BCP)にも役立つ。火災リスクがゼロであるため、BCP対策を求める顧客の要望に応えやすい。

 この他、電力小売業者に対しては、アンシラリーサービスを実現する際に役立つ電池だという。アンシラリーサービスでは電力タイムシフトや供給予備力、負荷追従、電圧・周波数調整など、さまざまな能力が必要であり、電池の総合力が問われるからだ。

*1) 本体と並列に接続したモニターシステムでレドックスフロー電池の起電力を測定し、イオン濃度を決定。リアルタイムに残量を把握できる。

図3 さまざまな用途に向くレドックスフロー電池

国内外で豊富な実績を誇る

 住友電工は約30年をかけて、レドックスフロー電池の開発を続けてきた。20年以上前から数百kW級の導入事例があり、国内外のさまざまな目的に応じて、最適なシステムを納入してきた。「250kW〜500kWを超えるようなシステムに適する」(徳丸氏)。

 例えば同社の横浜製作所の事例だ。2012年に1MWの出力を5時間継続できる設備の実証試験を開始(図4)。デマンドレスポンスを実証した。

図4 横浜事業所に設置したレドックスフロー電池(左側) 同社の集光型太陽光発電装置(CPV)が右側に並んでいる

 2016年には北海道電力に実証設備として15MW×4時間という大規模な設備を納入している(図5)*2)。風力発電と太陽光発電に由来する短周期の出力変動と長周期の出力変動、これを抑制することに加えて、余剰電力対策を行っている。

*2) 経済産業省が募集した「平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業」に北海道電力と共同で応募し、補助事業として採択されたもの。

図5 北海道電力に納入したレドックスフロー電池(建屋)

 海外ではカリフォルニア州の実証事業に向けて、2MW×4時間のシステムを納入する予定だ*3)。目的は太陽光発電による朝夕の急激な需要変動(ダックカーブ)を抑制することだ。

*3) 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業。

レドックスフロー電池の弱点を改善

 レドックスフロー電池は、不燃性の液体に電力を蓄える。正確にはバナジウムイオンを含む水溶液だ。溶液中のバナジウムイオンの価数(イオンの酸化数)を変化させることで、セルを通じて電力を取り出したり、充電したりできる。これが大規模、多用途、火災リスクゼロ、長寿命といった性質につながる。

 その代わり、液体を蓄える大型のタンクを必要とするため、リチウムイオン電池と比較して、装置の体積が増える。体積当たりの蓄電量が少ない。

 この弱点を改善するため、同社は複数の技術開発を続けてきた。主な改善は3つある。高出力セル、コンテナタイプ、コンテナ設置手法だ。

 高出力セルとは、出力を数倍に高めたセルである。同じ出力を得るために必要な機器の体積が減り、コスト低減を実現できる。

 コンテナタイプとは、タンクやセルの他、レドックスフロー電池として機能するために必要な全ての機器を40フィートコンテナ(長さ12.2m)に格納した設備(図6)。コンテナタイプを利用することで、設置面積が40%低減する。コンテナごと輸送できるため、輸送コストが減り、現場で必要な据え付け工事や配管工事を短期間で完了できる。

 コンテナ設置手法にも工夫を凝らした。大容量が必要な場合は、コンテナを縦に2段積みとし、下部のコンテナにタンクを集中することで、設置面積を低減できる。

図6 コンテナタイプの外観

 レドックスフロー電池に興味のある方は「スマートグリッドEXPO」で同社の担当者に疑問を投げかけてみてはいかがだろうか。

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提供:住友電気工業株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2017年3月16日