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» 2017年02月27日 13時00分 UPDATE

電気自動車:水素ステーションの必要機器をまとめて小型化、米国向けに販売開始

神戸製鋼所は米国の定置式水素ステーション向けに高圧水素圧縮機、冷凍機、蓄圧器に加え、ディスペンサーをセットにした「HyAC mini-A」の販売を開始した。従来製品より設置面積を10%削減し、FCVへの充填機であるディスペンサーもセットにして販売する。

[長町基,スマートジャパン]

 神戸製鋼所は、2017年2月から米国の定置式水素ステーション向けに高圧水素圧縮機、冷凍機、蓄圧器に加え、ディスペンサーをセットにした「HyAC mini-A」の販売を開始した。2014年から国内の水素ステーション向けに販売しているHyAC miniと比較し設置面積を10%削減するなどコンパクト化を図っている。また、FCV(燃料電池自動車)への充填(じゅうてん)機であるディスペンサーを新たにセット販売するところが大きな特徴だ。

alt 「HyAC mini-A」の外観(クリックで拡大) 出典:神戸製鋼所

 同社は、これまで国内の定置式水素ステーション向けにHyACシリーズを納入し、約30%のシェアを有している。その実績を元に、今回新たに米国モデルを開発し販売を開始するものだ。国内メーカーで海外の水素ステーション向けに水素圧縮機およびその他機器を販売するのは、同社が初めてという。

 California Energy Commissionによると米国では現在、カリフォルニア州を中心に25カ所の水素ステーションが設置されている。さらに、2024年までには累計100カ所以上の設置が計画されるなど、水素社会の実現に向け着実にインフラ整備が進んでいる。神戸製鋼所は同州にある圧縮機関連の子会社であるKobelco Compressors Americaと協力し、拡販を進める方針だ。

 米国モデルは、国内の水素ステーション向けディスペンサーメーカーとしてはトップシェアを有するタツノ(東京都港区)のディスペンサーとセットで販売する。これにより、同モデルで水素の圧縮からFCVへの充填まで可能となり、ユーザーの別々に手配する手間や現地での調整作業などが軽減される。また、米国充填プロトコル(FCVへ充填する際の温度や圧力を制御する為の米国規格)に対応し、87.5MPa(メガパスカル)まで昇圧可能だ。さらに遠隔で監視できるモニタリングシステムや国内水素ステーション向けに100基以上の納入実績あるコンパクト熱交換器(DCHE)を搭載している。

 神戸製鋼所では、HyAC mini-Aなどの製品開発に加え2016年3月には水素ステーションの実運用に近い形でさまざまな運転パターンや充填シミュレーションの検証が可能な「水素ステーション総合テストセンター」を高砂製作所内に設置し、市場ニーズに合った製品開発を進めている。また、グループ会社の神鋼エンジニアリング&メンテナンスでは、水素をFCVへ充填するための最適な機器仕様を選定するシミュレーション技術を開発するなど、グループをあげて水素ステーション建設で必要なアイテムを供給できる体制を構築している。

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