中国・航天機電、OEMと自社ブランドで住宅太陽光を開拓へ太陽光(1/2 ページ)

太陽光モジュール製造などを手掛ける中国の航天機電は、日本国内で新製品3種類を販売した。OEMを中心に日本での実績を伸ばしてきた同社だが、今後は住宅向けの太陽光発電市場の開拓に注力していく。日本法人社長の淺野晃弘氏が今後の戦略を語った。

» 2017年03月01日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 航空宇宙関連製品や太陽光モジュール事業を手掛ける中国のShanghai Aerospace Automobile Electromechanical(上海航天汽車機電、以下、航天機電)は2017年2月28日、東京都内で会見を開き、日本市場で新たに3つの太陽光モジュールの新製品を投入すると発表した。同時に日本法人の社長を務める淺野晃弘氏が今後の事業戦略を語った。

淺野晃弘社長

 新たに販売する新製品は単結晶PVモジュール「HyperC」、多結晶PVモジュール「Hyper Black」、両面受光N型ダブルグラス5BBモジュール「銀河(Milky Way)」の3種類。なお、HyperCとHyperBlackは同社の「HIGHWAYシリーズ」の製品となる。

 HyperCは、同社独自の裏面パッシベーション・セル(PERC)技術を採用し、60セルの出力は300W(ワット)以上、セルの最大変換効率は21.2%。さらに、日本の住宅屋根向けに48セル、出力240Wのモデルも用意しした。HyperBlackは60セルで280W、量産セルの変換効率で19.8%を達成した。両面で発電できる銀河は、60セルモジュールで330W以上の出力を達成できるとしている。

左から単結晶60セル・出力300W、多結晶60セル・280WのHIGWAYシリーズ、一番右が48セル・出力240Wの銀河シリーズのモジュール

 航天機電は2011年から日本国内で太陽光モジュールの販売を開始し、2013年に正式日本法人を設立した。日本では現時点で13カ所のメガソーラーに採用されており、累計800MW(メガワット)の出荷実績があるという。

 同社はこれまで日本国内において、日本の太陽光モジュールメーカーのOEMを中心に実績を伸ばしてきた。日本法人の社長を務める淺野晃弘氏によれば、OEMと自社ブランド製品の出荷比率は8対2程度になるという。生産は基本的に中国の工場で行っている他、新たにトルコにもモジュール生産能力600MWの新工場を立ち上げている。

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