電気料金プランの変更において、ハードルが高いというのは企業側にとっても実際に太陽光発電を行う側にとっても望ましくありません。自社の電気料金プランをたくさんの人に選んでもらえなければ、企業としての存続にも関わります。
そこで、日本エコシステムは太陽光発電システム導入の初期費用を無料にするというスキームを開発しました。導入費用は日本エコシステムが負い、その代わり長期にわたる電気料金の収入で収益を上げるという考え方です。こうした画期的な新サービスにより、料金プランの変更という気軽なアクションだけで太陽光発電の魅力を実感してもらい、かつ日本エコシステム自身も利益を生みやすい構造をつくりだしたのです。
「じぶん電力」では、太陽光による電力が見込めない夜間などは、エネットという新電力会社から調達した電力を供給します。そうすることにより、プランの利用者は天気が悪いときでも安心して電力を使うことができます。
これまで、自宅の屋根に太陽光発電システムを設置することは、価格面などでかなりの障壁がありました。しかし、電力自由化に伴い市場が開放され、そこから「じぶん電力」のようなサービスが生まれることで、より幅広い層が再生可能エネルギーの魅力を感じられるようになりつつあるのです。
次に、再生可能エネルギーの普及に力を入れている国際環境NGOの「FoE Japan」をご紹介します。同NGOは、2015年3月から再生可能エネルギー重視の企業を応援する「パワーシフト・キャンペーン」活動を展開しています。FoE Japanの吉田明子氏にお話を伺いました。
「現在、電気の切り替えにおいては価格が重視される傾向にあり、再エネ重視の電力会社を見つける手段があまりありません。そのため、多少高い料金を支払っても再エネを普及したい層が、そのニーズに見合った電力会社に辿り着けないケースが考えられます。再エネ重視の企業に対する導線が弱いままでは、再エネを重視する消費者と新電力会社の双方にとっての機会損失につながります。こうした機会損失の小さな積み重ねが環境問題に影響し、消費者の意図しないところで、石炭火力や原子力の推進につながる可能性もあります。パワーシフト・キャンペーンでは、こうした状況を改善するため日々活動を展開しているのです。新電力の中には、人目に触れる機会が少なくとも、再エネを重視する企業があります。パワーシフト・キャンペーンは、宣伝力などの面で消費者選択からこぼれ落ちた企業をすくい上げ、消費者選択による再生可能エネルギー社会へのシフトを目指す運動を行っているのです」(吉田氏)
パワーシフト・キャンペーンでは、次のような5つの基準を設け、その方向で鋭意努力している電力会社を「パワーシフトな電力会社」として応援。Webサイトやイベントなどで紹介しています。
パワーシフト・キャンペーンでは、今後も「今より少々電気代が高くても再エネ電源を選びたい」という人や、再エネ電源に関心のある層やそれに付随する市場の拡大を積極的に後押ししていくとのことです。(「パワーシフト・キャンペーン」のWebサイト)
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