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» 2017年03月02日 13時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:通信基地局や小型電源に適したリチウムイオン電池パック

NECエナジーデバイスが48V/2kWhリチウムイオン電池パックの販売を開始。広い温度特性による多様な設置環境と長寿命性、容易な拡張性、様々なシステムで使用できる汎用性と信頼性など通信基地局や小型電源向けに適した特長を持つ。

[長町基,スマートジャパン]

 NECエナジーデバイス(神奈川県相模原市)は、このほど通信基地局や小型電源などに適した48V/2kWhリチウムイオン電池パック「MHA4-3612」(オープン価格)の販売を開始した。

 同製品は、電源バックアップに用いられる従来の一般的な鉛蓄電池と比較して、小型・軽量・長寿命であり、機能性・安全性・施工性にも優れている。通信機設備などで主流の19インチラックに搭載可能で、停電時にも設備運用を継続させるために必要なバックアップ時間に応じ、同電池パックを最大16台まで並列に接続して容量を拡張することが可能だ。各電池パックは、高機能BMU(Battery Management Unit)によりリアルタイムで状態管理や保護が行われるため、安全にシステムを運用できる。また、放電時の使用温度範囲が広いため、寒冷地を含めたさまざまな環境でのシステム構築が可能。さらに鉛電池に比べ充電速度が速く短時間での繰り返し使用もできる。

図1 48V/2kWhリチウムイオン電池パック「MHA4-3612」 図1 48V/2kWhリチウムイオン電池パック「MHA4-3612」

 現在のモバイルキャリア市場はMVNO(仮想移動体通信事業者)やIoTを牽引役として拡大傾向にあり、携帯電話の契約数は2019年度で約2億件(同社推定)にまで増加すると予想される。また、2020年の商用化に向けた第5世代移動体通信システムを支える通信基地局は、従来の大型基地局に加え、小型基地局の設置が見込まれており、そこで使用されるバックアップ電源やUPS(無停電電源装置)用の電池は、従来の鉛蓄電池から省スペース化が可能なリチウムイオン電池への移行ニーズが高まってきた。

 さらに、太陽光発電を装備し自律的に稼働する通信基地局(グリーン基地局)の拡大も見込まれることや、停電発生回数の多い発展途上国など電力供給が不安定な地域や離島などで使用されるディーゼル発電機を効率的に稼働させるために、充放電特性に優れたリチウムイオン電池を併用する需要も拡大していくとみられる。

 このように、通信機器などの連続・安定稼働が求められる電源用として、高性能・高品質な電池のニーズが高まっている。これらのニーズに応えるため、同社が過去27年間におよぶリチウムイオン二次電池の開発・製造・販売で培ったノウハウを基に、MHA4-3612を開発した。

 同製品は放電時の使用温度範囲がマイナス20℃からプラス60℃までと広いため、寒冷地も含めたさまざまな環境での電源システム構築が可能だ。また、リチウムイオン電池の正極にEV(電気自動車)で使用実績のあるマンガン系材料を採用することにより、期待寿命は停電時のバックアップ用途で10年間(25℃環境)、サイクル用途で4000サイクル(同)を実現した。さらに、リアルタイムで電池の状態管理や保護を行う高機能BMUを搭載しているため、安全性を確保しつつ、電池の能力を最大化できる。

また、停電時にも稼働を継続させる必要のある機器の電力量とバックアップ時間に応じ、本製品は最大16並列まで接続して容量を拡張することが可能だ。この場合、一般的な通信基地局でほぼ半日稼働させることができる。

 さらに、拡張した電池を機器へ接続する際に各電池パックの通信IDを自動取得する機能が備わっており、面倒な設定作業が不要となる。加えて、電池パックをラックに固定して、パワーケーブルと通信ケーブルを接続するだけで容易に施工が行える。その他通信機設備で主流の19インチラックに搭載可能で、かつ広く採用されている48V電圧により、通信基地局用バックアップ電源やUPS(無停電電源装置)、小型電源など、さまざまな電源システムで使用できるなどの特徴がある。

 NECエナジーデバイスは同製品を、通信基地局をはじめ小型電源などさまざまな用途のシステム構築に活用できる製品として提供する。販売目標は今後3年間で30億円。

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