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» 2017年03月13日 06時00分 UPDATE

情報化施工:ダム建設の原石採取にIT活用、コスト減と品質向上を両立

大成建設はダム建設で使用する原石採取工事で、岩石の発破作業管理から品質評価までの工程を、ICTを用いて一元管理するシステムを開発した。原石の採取に関するコスト低下や品質の向上に寄与するとしている。

[長町基,BUILT]

 大成建設は、ダム建設で使用する原石採取工事で、岩石の発破作業管理から品質評価までの工程を、ICTを用いて一元管理するシステム「T-iBlast DAM」を開発したと発表した。原石採取工事の施工管理をICTを活用することで、採取に関するコスト低減と原石の品質向上が可能になるとしている。

 大量の岩石を使用するダムなどの工事では、原石山(岩石を採取する山)から発破により岩盤を破砕し、岩質が一定の基準を満たした材料を原石として利用する。これまでの原石採取工事の発破作業では、削孔の位置や深さを作業員が測量し、専用重機(クローラードリル)で原石山の複数個所を削孔した後、爆薬を装填して、岩盤を破砕してきた。また、発破後に、原石への使用適否を目視とハンマー打音で定性的に判断し、基準に満たない岩石が混在する場合には全量を廃棄しなくてはならなかった。そこで、機械化による発破作業の省力化や、原石に適用できない岩石の廃棄量削減が求められていた。

「T-iBlast」の特徴(クリックで拡大)出典:大成建設

 こうしたニーズに対応するため大成建設は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いた発破削孔位置の管理や、発破削孔に要する削孔エネルギー(専用重機で単位体積あたりの岩盤の削孔に要するエネルギー値)を用いた岩質評価、原石採取可能量の可視化など、原石採取工事の施工状況を一元管理するT-iBlast DAMを開発した。このシステムの適用により、発破での測量作業の縮減や基準を満たした原石を効率よく採取することができる。

 T-iBlast DAMの特徴は、GNSSを用いた発破削孔位置管理と削孔エネルギーを用いた岩質評価にある。事前入力した削孔位置・爆薬装てん深さを重機操縦席のモニターに表示し、重機オペレーターがGNSSを用いてガイダンスに従い削孔を行うことで、作業員の測量などによる手間や手戻りを省くことができ、コスト低減が可能だ。

削孔エネルギーを用いた岩質評価の事例 出典:大成建設

 また、専用重機の削孔速度などから、原石山の削孔に必要な削孔エネルギーを求め、削孔しながらリアルタイムで岩質評価を行い、その結果を3次元で可視化し、原石山の岩質分布位置と容量を表示することができる。さらに、原石山内部の岩質状況を精度良く判別できるよう異なる岩質を分別採取することで、原石として利用できる岩石採取率を向上させ、適切な岩質の原石を提供することが可能としている。

 同システムは、「五ケ山ダム骨材製造工事」(福岡県発注工事)で実施した実証試験で、採取時のコスト低減と原石の品質向上を確認したとする。今後、大成建設は、同システムをダム骨材製造工事での合理化施工技術として、2017年度以降をめどに実現場への適用を目指す。

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