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» 2017年03月15日 13時00分 UPDATE

エネルギー管理:ガスも無線通信で遠隔操作へ、消し忘れ見守りサービスにも生かす (1/2)

東京ガスと京都大学がスマートメーター用の国際標準規格に準拠した無線通信技術を世界で初めて開発した。ガスのスマートメーターと家庭内の機器を無線通信でつなぎ、遠隔監視システムから消し忘れの通報や遮断操作を実施できる。スマートメーターを使って電力と同様のサービスを提供する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 東京ガスと京都大学が開発した無線通信技術は、IEEE(米国電気電子学会)がスマートメーター用の国際標準規格に採用した「IEEE802.15.4e RIT(Receiver Initiated Transmission)」に準拠している。別名「F-RIT(Featherly-RIT)」と呼ばれる低消費電力型の通信プロトコルで、羽根(feather)のように高密度に集約しても軽い負荷で通信できる点が特徴だ。

 この無線通信技術を使うと、家庭内に設置したガス漏れ・火災警報器や床暖房機器を無線ネットワークでスマートメーター(ゲートウエイ装置)とつなぐことができる。スマートメーターから東京ガスの監視システムに情報を送ることで、利用者のスマートフォンにガス消し忘れの緊急通報や遠隔遮断操作の実施確認が可能になる(図1)。

図1 無線通信によるガスIoTサービスの実施イメージ。F-RIT:スマートメーター用の無線通信の国際標準規格、IoT:モノのインターネット、GW:ゲートウエイ。出典:東京ガス、京都大学

 ガスの安全性と利便性を高めるために、家庭内の機器に組み込んだセンサーからの情報を生かしたIoT(Internet of Things、モノのインターネット)のサービスを提供するための基盤になる技術だ。4月に始まる都市ガスの小売全面自由化に向けて、電力と同様にガスの領域でもスマートメーターを活用した家庭向けのサービスを充実させることが求められている。

 東京ガスと京都大学は世界で初めてF-RITに準拠した無線通信技術の開発に成功した。さらにF-RITを搭載した無線通信機も開発して基礎実験を実施済みだ(図2)。F-RITはデータの伝送時間を短縮する仕組みを取り入れて、消費電力を低減できるメリットがある。15分に1回程度の通信頻度で使用した場合には、単三リチウム電池2本で10年間の動作が可能になる。

図2 実験に使用した無線通信機。出典:東京ガス、京都大学

 基礎実験では複数の無線通信機を同時に作動させて電波の干渉による伝送効率の影響を検証したほか、最大16台の無線通信機から1カ所のアクセスポイントに通信できることも確認した(図3)。F-RITに準拠した無線通信技術を開発したのは世界初で、基礎実験に成功したのも初めてだ。

図3 複数の無線通信機から1カ所のアクセスポイントに信号を送る実験。出典:東京ガス、京都大学
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