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» 2017年03月23日 07時00分 UPDATE

電気自動車:東芝のワイヤレス充電可能なEVバス、60%のCO2削減効果

東芝がワイヤレス充電システムを利用したEVバスの実証走行の成果を発表した。走行距離と消費電力などのデータをもとにCO2削減効果を計算したところ、中型のEVバスでは同じサイズのディーゼルバスと比較して約60%の削減効果があることが分かったという。

[長町基,スマートジャパン]

 東芝は、EV(電気自動車)バス向けのワイヤレス急速充電装置を用いて、2台のEVバスを公道で運行し、ディーゼル車と比較して約60%のCO2削減効果を確認したと発表した。この実証は、環境省委託事業「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」で、ワイヤレス充電の利便性やCO2削減効果の検証を目的に、同社と早稲田大学が共同で2016年2月〜2017年1月にかけて実施した。

 実証では、両者が共同で開発したワイヤレス急速充電装置を搭載した中型と小型のEVバス2台を、企業の連絡バスとして川崎市や羽田空港周辺の公道で1日3〜4往復走行した。実証走行区間はいずれも川崎市殿町からで、小型が東京都大田区糀谷のANA(全日本空輸)の拠点間約6km、中型が羽田空港内のANAの拠点間約11kmとなっている。

実証試験の走行経路(クリックで拡大) 出典:東芝

 公道走行で測定した走行距離と消費電力などのデータをもとに早稲田大学がCO2削減効果を計算した結果、首都高速道路を含むルートを運行した中型EVバスでは、同サイズのディーゼルバスと比較して、約60%の削減効果があることが分かったという。小型については42%の削減となった。

 実証で使用したワイヤレス急速充電装置は、車載用のワイヤレス充電向けに国際標準化が進む85kHz帯を採用し、従来型の電磁誘導方式よりも送電パッドと受電パッド間が離れた状態で送電することができる磁界共鳴方式を用いている。送電電力は44kW(キロワット)だ。東芝独自の送受電パッドを採用することにより、送受電パッド間が左右20cm、前後10cmまでずれていても充電できる。

ワイヤレス充電ステーションの外観(クリックで拡大) 出典:東芝

 また、1万5000回以上の急速充放電を繰り返しても劣化の少ない長寿命特性を持つ東芝製リチウムイオン二次電池「SCiB」を搭載しているため、観光地や空港の巡回バスなどで求められる高頻度かつ短時間の充電に適している。実証での一回当たりの充電時間は小型が約15分、中型が約20分だった。

 なお、東芝は実証中に、同ワイヤレス急速充電装置を用いた乗用車への充電を合わせて確認した。乗用車の場合、EVバス向けワイヤレス急速充電装置の2つの送電パッドのうち片方のみを稼働させ、乗用車が7kWの電力を受電できる機能を付加している。

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