大阪で「固体酸化物形燃料電池」の実証実験が始まる、2017年度の市場導入に向けて:蓄電・発電機器(2/2 ページ)
日立造船は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業「固体酸化物形燃料電池等実用化推進技術開発」(事業機関:2014〜2017年度、2016年度予算:12億円)の助成先の1つとなっている。NEDOの助成を受けて、開発が進む業務用SOFCシステムの実用化技術は、2017年度の市場導入に向けた動きが活発となっている。
例えばデンソーが助成先となる5kW級の業務用SOFCシステムは、飲食店や理美容院、小規模医療、福祉施設などをユーザーとして想定し、システムの検証が進んでいる。
デンソーが助成先となる5kW級の業務用SOFCシステムの活用イメージ 出典:NEDO
三菱日立パワーシステムズ、トヨタ自動車、日本特殊陶業の3社が助成先となる250kW級のシステムでは、SOFCとマイクロガスタービンを組み合わせた円筒形SOFC-マイクロガスタービンハイブリッドシステムの検証に取り組んでいるとした(関連記事:固体酸化物形燃料電池の実用化に向け実証を開始、2017年に市場投入へ)。
- 大成建設が国内初の燃料電池の導入実証、地域のエネルギーを最適化
大成建設は横浜市戸塚区にある同社の技術センターに、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を導入する。燃料電池が生み出す電力と熱をセンター内の複数の建物に供給する。同時に複数の建物のエネルギーを一括管理できる新しいEMSを開発・導入し、エリア内の電力需給の最適化を図る。この取り組みで得られたデータと知見を活用し、建物への大型燃料電池の導入拡大に生かす方針だ。
- 植物由来のバイオエタノールで走る燃料電池車、日産が2020年に製品化
日産自動車はバイオエタノールで走行する燃料電池システムを開発し、同システムを搭載した燃料電池車の製品化を進めることを発表した。バイオエタノールから水素を作り出し、固体酸化物形燃料電池(SOFC)による発電で、自動車を走行させる。
- 固体酸化物形燃料電池の実用化に向け実証を開始、2017年に市場投入へ
NEDOは、水素利用の拡大に向け、業務用SOFCシステムの実用化技術の開発で新たな2テーマに着手する。5kW級の業務用SOFCシステムと250kW級のシステムで、2017年に市場投入を目指す。
- なぜなぜ燃料電池、実は「電池」ではないのでは?
水素やメタンから直接電力が得られる燃料電池。国内では防災機器やキャンプ用品、「エネファーム」、燃料電池車などで使われており、珍しい装置ではない。だが、電力が生まれる仕組みは火力発電や太陽電池とは異なる。水素ガスは使うが、ガスエンジンとも違う。短期連載第4回では燃料電池を解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.