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» 2017年04月06日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:東京の保育園に長野県の水力発電を販売、自治体の再エネ連携が広がる (1/2)

温暖化対策に注力している世田谷区は、新電力を活用した再生可能エネルギーの普及と自治体連携に注力してる。新たに4月1日から長野県の水力発電所で発電した電力を、東京都世田谷区の保育園に販売する事業が始まった。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 長野県企業局は県内の水力発電所で発電した電力を、東京都世田谷区内の保育園などに向けて4月1日から販売を開始した。新電力を活用して自治体同士が再生可能エネルギーの活用で連携する事例が広がっている。

 長野県内では4月1日から2カ所の水力発電所が稼働を開始した。この2カ所の発電所の電力を販売している。伊那市にある「高遠(たかとお)発電所」と長野市の「奥裾花(おくすそばな)第2発電所」だ。どちらもダム式の発電所で、維持放流水を活用して発電を行っている。

「高遠発電所」と「奥裾花第2発電所」 出典:長野県企業局

 高遠発電所は出力180kW(キロワット)で年間約1250MWh(メガワット時)、出力980kWの奥裾花第2発電所は、年間約5000MWhを発電する見込みだ。2カ所合計で、一般家庭に換算して約1750世帯分の電力を水力で発電していることになる。

 長野県はこの2カ所の発電所の電力を、新電力の丸紅新電力に販売している。丸紅新電力は固定価格買取制度の単価に0.5円を上乗せして電力を買い取る。発電出力が200kW未満の高遠発電所は1kWhあたり34.5円(税別)で、200kWh以上の奥裾花第2発電所は買取価格が29.5円(同)だ。長野県は年間2億円程の売電収益が見込める。

 丸紅新電力が買い取った電力は、提携している新電力の「みんな電力」が販売する。みんな電力は東京都世田谷区に本拠を置き、再生可能エネルギー電源の開発と電力販売を行っている。需要家側が応援したい発電所を選んで電力を購入することで、その発電所を応援できるというユニークな仕組みを導入している。

事業スキーム図(クリックで拡大) 出典:長野県企業局

 みんな電力は2カ所の水力発電所の電力を、世田谷区立保育園40園の他、名古屋や大阪の民間企業、個人顧客に向けて販売している。なお、需要家がみんな電力に支払う電気料金の一部は、発電所の応援料として、月額100円が長野県に還元される。長野県はこの応援料を、需要家に対する発電所や立地地域の見学ツアー、県産品のプレゼントなどに活用する計画だ。

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