火力発電所を改造して国内最大のバイオマス発電所に、関西電力が兵庫県でエネルギー管理

関西電力は兵庫県相生市にある火力発電所「相生発電所」の2号機の燃料を木質バイオマスに転換する。2022年度をめどに、国内最大級のバイオマス発電所として運転を開始する計画だ。三菱商事と子会社を設立し、発電所の管理や燃料の調達を行う。

» 2017年04月07日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 関西電力は兵庫県相生市の火力発電所「相生発電所」2号機の燃料を、現行の重油・原油から、木質バイオマスに変更する。バイオマス燃料の安定調達に向けて、三菱商事の子会社である三菱商事パワーと共同で相生バイオエナジーを設立し、2017年4月5日に登記を行った。

 相生発電所は出力37.5万kW(キロワット)の汽力発電方式の設備を合計3基備えている。これまでは原油や重油で発電を行っていたが、関西電力では地球温暖化対策やコスト削減に向けて設備改修による燃料転換を進めている。1号機と3号機については、既に天然ガス(LNG)の利用を開始している。

「相生発電所」 出典:関西電力

 関西電力は2030年までに50万kW程度まで再生可能エネルギー電源を拡充することを目指している。そこで相生発電所2号機は木質バイオマスへの転換を決めた。改造後の発電所の出力規模は国内最大級となる20万kWを見込んでいる。2022年度の稼働を目指す方針だ。

 発電所の維持運営および発電した電力の販売は、2社が設立した相生バイオエナジーを通して行う。資本金は4億5000万円で、出資比率は関西電力が60%、三菱商事パワーが40%である。発電所で利用する燃料は木質バイオペレットを使用する計画で、三菱商事が調達を行う計画だ。

 パリ協定の発行など、国際的に地球温暖化対策に向けた温室効果ガス削減への取り組みを強化する動きが進んでいる。これに向け、国内でも化石燃料を利用する火力発電所への風当たりが強まっている。2017年3月23日には、東燃ゼネラル石油と関電エネルギーソリューションが千葉県市原市で計画していた石炭火力発電所の建設計画の中止を発表した。関西電力は兵庫県赤穂市の火力発電所「赤穂発電所」において、燃料を石炭に切り替える設備改修計画を立てていたが、2017年2月に計画を中止した。

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