東京商工リサーチは2016年度における「太陽光関連事業者」の倒産状況を発表した。その結果によると2016年度の倒産件数は、これまでの最多である2015年度の61件から7件上回った。
東京商工リサーチは2016年度における「太陽光関連事業者」の倒産状況を発表した。調査結果によると、2016年度の倒産件数は前年同期比11.5%増の68件となった。2015年度はこれまでの最多となる61件だったが、7件上回る形である。
負債総額は前年同期比57.0%減となる146億4100万円。2015年度最大の負債額は日本ロジテックで、2016年3月に約120億円を抱えて倒産した。2016年度最大の負債はPVG Solutionsの約22億円にとどまり、負債総額は大幅に減少している。
原因別にみると「販売不振」が最も多く、全体の52.9%を占める36件となった。「事業上の失敗」「運転資金の欠乏」が11件と続いている。特に運転資金の欠乏は増加しており、2015年度の4件から11件と175.0%増となった。東京商工リサーチでは「売上高の急拡大から一気に受注減に陥り苦しんだケースや、事業拡大を見越した過剰在庫で収支バランスが崩れ、資金繰りが破綻した事例が多い」とコメントしている。
半期ベースでは2016年4〜9月の倒産件数が20件、2016年10月〜2017年3月は48件と2.4倍となっている。2017年2月は単月で最多となる11件が倒産し、時間の経過とともに太陽光関連事業者の倒産が加速していると指摘する。
「倒産した太陽光関連事業者は市場リサーチが希薄で、事業計画の実現性が乏しかったことが共通している。FIT(再生可能エネルギーの固定買取価格制度)成立で一大ブームを呼び起こし、市場拡大が期待されたが、優遇措置や規制の変更などで市場環境が大きく変動することを事業者はあらためて認識すべきだろう」(東京商工リサーチ)
なお同調査は2001年から行われており、ソーラーシステム装置の製造や販売、小売を手掛ける企業、システム設置工事、コンサルティング、太陽光発電による売買電事業を展開する企業を「太陽光関連事業者」と定義し、集計している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.