太陽光パネルをM字型に、発電量16%アップ:太陽光(2/2 ページ)
NTTファシリティーズは「Fソーラーパッケージ Mタイプ」を2016年6月に発売した。太陽光パネル、パワコン、高圧受電設備に加え、発電状況を見守る監視計測装置をパッケージ化して提供している。
「Fソーラーパッケージ Mタイプ」の概要 出典:NTTファシリティーズ
太陽光パネルの設置容量だけでなく、パワコンを通した制御で発電所全体の発電量を引き上げるのも特徴の1つとなっている。導入するパワコンは電流と電圧を制御する「最大電力点追従制御(MPPT)」という機能を備えている。これにより、東や西などのアレイの設置方位ごとに、発電量を最適に制御して発電電力の最大化を図る。
「F長柄太陽光発電所」のパネル下の様子 出典:NTTファシリティーズ
F長柄太陽光発電所ではM字型アレイ工法による太陽光パネルの設置量増加と、MPPTによる制御により、一般的な施工方法を導入した場合と比較して年間発電量を16%増やせる見込みだという。NTTファシリティーズでは施工性や保守性、反射光による発電量の増加効果などの検証を進め、構築・運用技術の改良を進める方針だ。実績データに基づく発電量シミュレーションの高機能化も進めるとしている。
- コスト低減のカギはIoT、自己診断する1500V級パワコン
シュナイダーエレクトリックは「スマートエネルギーWeek 2017」に出展し、国内初投入となる太陽光発電向けの新製品を披露した。自己診断機能を備えるパワコンなど、IoTを強みにコスト低減や安定稼働ニーズが高まる国内市場を開拓していく方針だ。
- 太陽光パネルを東と西に向けて、メガソーラーの発電量を15%増やす
NTTファシリティーズは千葉県に建設するメガソーラーで、東と西に向けて太陽光パネルを設置する新システムを初めて導入する。通常の南向きに太陽光パネルを設置する方法と比べて、同じ敷地面積で発電能力を25%増やすことができる。年間の発電量は15%増加する見込みだ。
- 太陽光発電を丸ごと提供、「M型工法」で狭い土地でも発電量アップ
「狭い土地になるべく多くのパネルを設置したい」「設備認定は取得したが土地面積が少なく認定時のパネル容量を確保できない」ーー。NTTファシリティーズはこうした発電事業者が抱える課題をターゲットにしたパッケージ型の太陽光発電システムを発売した。M型にアレイを構成することで、敷地面積当たりのパネル容量の増加を図り、発電量のアップにも貢献する。
- 発電ロスが生じる要因
今後ますます重要になっていく太陽光発電所の運用保守。しかし、具体的にどのような点に着目して取り組めば良いのだろうか。本連載では日本で太陽光発電所の運用保守事業を手掛けるアドラーソーラーワークスが、実際の事例を交えながらそのポイントを紹介していく。第7回は見落としがちな発電ロスの原因について解説する。
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