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» 2017年06月12日 06時00分 UPDATE

情報化施工:削孔データで切羽地山を3D評価、トンネル工事を効率化

西松建設はジオマシンエンジニアリングと共同で、山岳トンネルの掘削面と付近の地山性状を連続的に3次元で評価できるシステムを開発した。最適な支保や掘削手法の選定などに役立でることができ、施工の安全性・経済性の向上が期待できるとしている。

[陰山遼将,BUILT]

 西松建設はジオマシンエンジニアリングと共同で、切羽や付近の地山性状を定量的かつ詳細に3次元(3D)評価できる地山評価システム「DRISS-3D」を開発した。山岳トンネルの掘削に使用されるドリルジャンボの施工データを活用するもので、施工の安全性や効率性を高められるという。

 DRISS-3Dはコンピュータ制御のドリルジャンボから得られる多数の装薬孔やロックボルト孔などの削孔位置、角度情報のデータを利用する。坑内でこららのドリルジャンボの全て削孔データを収集する計測システムと、取得したデータを専用ソフトで処理する解析・評価システムで構成される。

地山強度の3次元分布出力のイメージ(クリックで拡大)出典:西松建設

 まず、ドリルジャンボの運転状況から抽出した計測データの中から、実際に削孔した部分のデータだけを抽出・分離。削孔ごとに穿(せん)孔エネルギーや地山強度などの評価指標を算出し、その結果からボーリング孔のデータを3D化する。専用ソフトに内蔵された空間データ補完機能を用いて削孔間の状況も計算および予測して連続化し、3Dの地山強度分布図を作成する仕組みだ。

 地山強度の分布図は任意の断面を2D表示することもできる他、地質縦断図や平面図、切羽観察記録との比較も行える。地山の弾性係数の3D分布も求めることが可能だ。その結果を西松建設のトンネル変形予測システム「PAS-Def」で利用することで、地山性状および掘削時の変形挙動を一括したより高度な評価が行えるという。最適な支保や掘削手法の選定などに役立てることができるため、施工の安全性・経済性の向上が期待できるとしている。

 DRISS-3Dを適用している新幹線のトンネル工事現場では、原位置試験で測定した地山強度とシステムで求めた地山強度がおおむね一致し、地山強度の3D分布が実際の地質構造と同様の傾向を示すことを確認できた。

 西松建設は今後、システムのさらなる改良を進めるとともに、他のトンネル現場へも積極的に展開していく考え。さらに、コンピュータ制御のドリルジャンボ以外にも適用できるようにするため、削孔位置・角度の自動測定システムの開発も進める。

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