消化ガスで440世帯分を発電、地域新電力がエネルギーを地産地消自然エネルギー

鳥取市で下水処理場で発生する消化ガスを利用したバイオマス発電事業がスタートする。発電した電力を地域新電力が買い取って販売し、エネルギーの地産地消を目指すプロジェクトだ。

» 2017年06月15日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 鳥取ガスは鳥取市内の下水処理場で発生する消化ガスを活用したバイオマス発電所「秋里下水処理場バイオマス発電所(仮)」を建設すると発表した。2017年11月から発電開始する計画だ。

 このプロジェクトでは鳥取市が下水処理場で発生する消化ガスを、地域新電力のとっとり市民電力に販売。とっとり市民電力に発電事業者として指定を受けた鳥取ガスがこの消化ガスを購入し、下水処理場内に消化ガス発電設備を設置し発電事業を行う。とっとり市民電力は鳥取ガスと鳥取市が2015年8月に設立した地域新電力で、鳥取ガスが90%、鳥取市が10%の比率で出資を行っている。

事業スキームのイメージ 出典:鳥取ガス

 とっとり市民電力は鳥取ガスから発電所で発電した電気を購入し、需要家に販売を行う。なお、鳥取ガスも、とっとり市民電力の取次事業者として需要家に販売する。市内で発生するバイオマス資源を活用して発電し、地域新電力が販売することでエネルギーの地産地消を図る。

 下水処理場内に設置する発電設備の出力は200kW(キロワット)。出力25kWのガスエンジン発電機を8台導入する。消化ガス消費量は年間約88万Nm3、年間発電量は約160万kWh(キロワット時)を予定している。一般家庭約440世帯分の年間使用量に相当する発電量だ。事業期間は20年としている。

「秋里下水処理場バイオマス発電所(仮)」のイメージ(クリックで拡大) 出典:鳥取ガス

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