住宅太陽光発電、作業時の転落事故を防ぐために太陽光(1/3 ページ)

住宅屋根の上での施工・メンテナンス作業時に発生する作業員の転落事故が後を絶ちません。転落事故防止策として有効な「安全帯」装着の必要性と、適正な製品選びのポイントについて解説します(この記事は「O&M Japan」からの転載記事です)。

» 2017年06月16日 09時00分 公開
[O&M Japanスマートジャパン]

この記事について

この記事は太陽光発電のO&Mに関する総合情報発信サイト「O&M Japan」に掲載された多発する屋根上太陽光パネル転落事故防止の必需品「安全帯」の選び方を、スマートジャパン編集部で一部編集し、転載したものです(アイティメディアの表記ルールに基づいて原本から表記を一部変更しています)。


多発する、屋根上作業時の落下事故

 モジュールの施工時やメンテナンス作業時、作業員にはさまざまな事故の危険が伴います。なかでも特に多い事故が、屋根の上での作業時に発生する、作業員の転落事故です。

かつて個人住宅屋根への太陽光発電設備の設置件数が急増した時期には、全国で毎年1〜2名の転落による死亡事故が発生していました。

 近年、死亡事故は以前に比べて減少したとはいえ、転落事故は相変わらず一定数発生しており、太陽光発電設備の施工、O&M作業における安全対策・事故防止策はまだまだ万全とはいえません。

 屋根の上の作業は「傾斜角度がきつい」「屋根の材質が滑りやすい」という状況に加え、作業員が「パネルを踏んではいけない」「屋根を傷つけてはいけない」といった点に注意を払わないといけないため、一般的な建設現場などの作業に比べ、作業員の転落、落下事故のリスクが非常に高く、まさに命がけの作業です。

角度のある斜面にパネルが設置されている

 また、作業員の足を滑らせる原因がもうひとつあります。それは「コーキング剤」です。パネルの架台を屋根に固定するときに支持金具周辺に「コーキング剤」(気密性や防水性を保持するための充てん剤)を塗るのですが、このコーキング剤が乾いて固まるまでにはかなり時間がかかります。夏季であれば早くて30分程度ですが、冬季は固まるまでに2時間以上かかる場合があります。

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