BIMとコスト・工期情報が連動、施工管理を効率化情報化施工

大成建設は、BIMデータと工期・コスト情報を連携させるシステムを開発した。視覚的に工事の進ちょく状況などを確認できるようにし、施工管理の効率化に役立てる。

» 2017年07月12日 06時00分 公開
[陰山遼将BUILT]

 大成建設は、BIM(Building Information Modeling)データに工期・コストに関する情報を連動させた施工管理支援システム「T-BIM 5D」を開発した。工事の進ちょく状況や出来高などを見える化することができ、遅延部分の的確な把握など、効率的な施工管理が行えるという。

 一般に建設工事では計画工程と実際の施工状況を比較することで、工事の進ちょく状況を把握する。だが、現場ではさまざまな工種の工事が複雑に絡み合うため、経験豊富な工事関係者でなければ、正確な進ちょく状況を把握することが難しいという課題がある。

 大成建設が開発したT-BIM 5Dは、工程表のスライドバーを動かすことで計画工程、実施工程それぞれの施工状況をアニメーション化して、視覚的に把握することができる。特定日時における工事進ちょくの把握も可能だ。

 工程については計画より先行している部分、予定通りの部分、遅延している部分に色分けして視覚的に把握できる。遅延している場合は視覚的な認識に基づき、早期に対策を行うといった具体的なアクションが行いやすくなる。進ちょく段階でのコストも表示するため、同時にコスト管理も可能だ。

「T-BIM 5D」をAutodesk社の「NavisWorks」と組み合わせたデモ画面。工事が遅れている部分は赤く半透明で表示されている(クリックで拡大) 出典:大成建設

 なおT-BIM 5Dの登録データは、動画ファイルとして出力することが可能で、客先などの工事関係者に対し、工事進ちょくをアニメーション化して視覚的に説明する際にも活用できる。

 大成建設は、このシステムをBIMデータ活用プロジェクトに適用していく。効率的な施工管理を図るとともに、客先などへの工事進ちょくの説明や、工事における生産性向上のためのツールとして活用していく。

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