日本海水がバイオマス発電所を増設、未利用材やPKSを混焼自然エネルギー

大手製塩会社の日本海水は、兵庫県赤穂市にある製塩工場内にバイオマス発電所を増設する。既に出力1万6530kW(キロワット)の発電所が稼働しているが、さらに出力3万kWの発電所を2020年度に稼働させる計画だ。未利用材の他、樹皮やPKSなどを混焼する。

» 2017年07月13日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 日本海水(東京都千代田区)はこのほど、兵庫県赤穂市の「赤穂発電所」(兵庫県赤穂市)に第2バイオマス発電所を増設し、電力事業をさらに強化すると発表した。

 同社は製塩事業を行う大手企業で、塩製品を年間40万トン生産している。また、環境事業をはじめ、水事業や農業事業など、製塩事業で培った技術をベースに新規事業開発に取り組んでいる。製塩工程で大量の電力を使用するため、以前から発電設備を保有していた。2014年度には老朽化した製塩用ボイラを更新する際に、FIT制度の活用及びCO2削減や雇用の創出などを目的に、発電出力1万6530kW(キロワット)の第1バイオマス発電所と、天然ガスボイラーを建設。本格的に電力事業に参入した。

 現在、第1バイオマス発電所の燃料は、地域の未利用材などを中心に活用している。新設する第2バイオマス発電所では、未利用材の不足が予想されるため、樹皮など山林資源の一層の活用を図るとともに、PKSも活用する。そのため、ボイラーはさまざまな原料の燃焼に対応したストーカ式を導入する。

発電所の建設地(クリックで拡大) 出典:日本海水

 第2バイオマス発電所の最大出力は3万kW。燃料使用量は23万5000トン/年(燃料はPKS、樹皮、間伐材など)を見込む。営業運転は、2020年度上期中に開始する予定だ。また、第2バイオマス発電設備の燃料調達と保管場所確保のため、第2木質チップ工場の建設を計画している。

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