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» 2017年07月31日 11時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:総合効率90%、日立造船が業務・産業用SOFCの実証を開始

日立造船は大阪産業技術研究所と共同で、固体酸化型燃料電池(SOFC)を用いる出力20kW(キロワット)級の業務・産業用発電装置の実証実験を開始した。電気と熱を併せた総合エネルギー効率で90%を達成している。店舗や集合住宅など向けに、2017年度中の市場投入を目指す方針だ。

[長町基,スマートジャパン]

 日立造船(大阪市)と大阪産業技術研究所(大阪府和泉市、ORIST)は、このほど、新たに開発した業務・産業用の固体酸化物形燃料電池発電装置(業務・産業用SOFC)を、大阪府バッテリー戦略研究センターと協力してORIST和泉センターに設置し、実証実験を開始したと発表した。

ORISTに設置した業務・産業用SOFC 出典:日立造船

 今回の事業は、日立造船が業務・産業用SOFCの開発に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「固体酸化物形燃料電池を用いた業務用システムの実用化技術実証」の支援を受けて実施する。また、先進的な水素プロジェクトの創出を目指し大阪府および大阪市が運営する「H2Osakaビジョン推進会議」の取り組みの一環ともなっている。

 実証実験で両者は、4000時間以上の連続運転試験による同装置の安全性・信頼性の評価や、さらなる高度化に向けた構成部材などの研究・試験・評価などを実施する。今回の装置はサイズが幅2.2×長さ4.2×高さ2.8m(換気フード、排気管除く)。燃料には都市ガス13Aを使用し、定格出力は20kW(キロワット)級(AC送電端出力約17.6〜18.5kW)で、発電効率は50%以上、熱回収効率は40%以上。電気と熱を併せた総合エネルギー効率で90%を達成している。

 スタックは日立造船と業務・産業システム開発を行っている日本特殊陶業製の平板積層形スタックを採用しており、省エネルギー(小型分散型電源で高いエネルギー効率)、高環境性(クリーン、低騒音、低振動、CO2排出量削減)などの特徴がある。実証実験の期間は2017年6月23日〜2018年3月末まで。

 日立造船は、同装置を食品スーパー、コンビニ、オフィスビル、集合住宅などを対象として2017年度内の市場投入を目指す。また、小型化、分割搬入可能な形状構造化、および災害時の防災電源化に向けた研究・開発も進めている。

 なお、同装置はORISTに引き続き、今後、大阪市の施設「咲くやこの花館(花博記念公園鶴見緑地内)」でも実証実験を行う計画だ。

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