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» 2017年08月25日 07時00分 UPDATE

太陽光:投資ゼロで太陽光電力が使える、オフグリッド供給サービス登場

アイ・グリッド・ソリューションズと環境エネルギー投資は、建物屋根の遊休スペースに設置した太陽光発電設備の電力を、送電網を介さず建物側に供給する「オフグリッド電力供給サービス」を開始した。

[長町基,スマートジャパン]

 エネルギー関連事業を展開するアイ・グリッド・ソリューションズ(東京都千代田区)と環境エネルギー投資(東京都品川区)は、スーパーマーケットなどの建物屋根の遊休スペースに太陽光発電設備を設置し、そこで発電したクリーン電力を、送電網を介さずに建物側に直接供給する「オフグリッド電力供給サービス」を開始した。既にアイ・グリッド・ソリューションズの主要顧客である関東・中部・関西エリアのスーパーマーケット店舗で導入が決まっており、2017年8月から順次供給を開始する。

 アイ・グリッド・ソリューションズは、2004年から需要家向けのエネルギーマネジメント事業を展開している。その中で流通小売業の顧客などから「省エネ活動などで使用電力を抑えても、燃料費調整額の変動幅や再エネ賦課金の負担が大きく、電力コストの変動が大きな経営リスクとなっている」という声を多数耳にしてきたという。

 現在、一般的な電力供給における主要な火力燃料はLNG、原油、石炭などであるため、原油価格、外国為替相場や価格交渉などの動向によって燃料費は変動する。また、近年燃料費は増加傾向にある。加えて「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」の開始以降、再エネ賦課金の負担額も増加。経営における電力コストの占める割合が大きい流通小売業にとって、これらのコスト変動やそれに伴う負担額の増加は、大きな課題だ。

 オフグリッド電力供給サービスで供給する電力は、太陽光を利用するため燃料費の変動がない。加えて、FITを利用せずに発電した太陽光の電力を、需要地内で100%地産地消する仕組みのため、再エネ賦課金が発生しない。太陽光で発電した電力と、系統を通して電力会社から購入する電力のベストミックスを目指し、電力コストの削減に寄与する狙いだ。

 同サービスの構築にあたっては、発電余剰を発生させず、100%需要場所内で地産地消させるため、建物の電力使用量を分析していく必要がある。アイ・グリッド・ソリューションズでは既存顧客など全国5600カ所以上の施設の電力使用量を分析しており、その結果を活用して最適な規模の太陽光発電設備を提案するとしている。

 同社はこれまでにスーパーマーケットなどへの導入に適した、出力100〜200kW(キロワット)規模の屋根設置型太陽光発電所に特化してEPC、O&Mを行ってきた実績がある。さらに、発電事業者として複数の屋根設置型太陽光発電所の運用も行っており、オフグリッド電力供給サービスには、これらのノウハウを活用していく。

「オフグリッド電力供給サービス」のイメージ(クリックで拡大) 出典:アイ・グリッド・ソリューションズ

 サービスの提供にあたっては、専門事業会社のVPP Japanを設立した。太陽光発電所はVPP Japanの投資で設置、運用する。設置場所には、顧客の持つ建物屋根の遊休スペースを活用するため、新たに用地を取得する必要がない。顧客は設置スペースを貸与するだけで、発電設備の購入、資産計上を行う必要がない。さらに、建物の条件に合わせた最適な太陽光設備の選定と設置、保守運⽤までの一貫したサポートを受けることができる。

 将来は同サービスで導入した太陽光電源と、蓄電池、エネルギーマネジメントシステムなどを組み合わせ、デマンドレスポンスを実施できるようにすることで、対象施設、設置可能出力の拡大を目指していく方針だ。さらに複数の需要家施設をネットワークでつなぎ、統合制御できるようにすることで、「VPP(バーチャル・パワー・プラント)」の構築も視野に入れる。

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