KDDIが新型のケーブル敷設船、洋上風力の送電線にも対応自然エネルギー

KDDIは子会社の国際ケーブル・シップ共同で、新しい海底ケーブル敷設船を建造する。通信ケーブルなどの敷設に加え、日本で初めて電力ケーブル工事に対応する。2019年度をめどに運航を開始する計画だ。

» 2017年09月07日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 KDDIと同社のグループ会社である国際ケーブル・シップ(KCS)は、2019年度の運航開始を目途に、新たに海底ケーブル敷設船を建造すると発表した。

完成イメージ図(クリックで拡大) 出典:KDDI

 KCSは、1967年からケーブルハンドリング機器を装備した海底ケーブル敷設船を、太平洋・アジア域に広がる光海底ケーブルネットワークの建設・保守に活用しており、現在はKDDIオーシャンリンク、KDDIパシフィックリンクの2隻を運用している。

 新しい海底ケーブル敷設船は、通信ケーブルの敷設および修理で培ったノウハウを用いることで、これまでの通信ケーブル、観測・資源探査ケーブルに加え、「日本で初めて」(KDDI調べ)、電力ケーブル工事への対応が可能な船舶になるという。これにより、浮体式洋上風力発電設備などに用いられる電力ケーブルについて、耐候性の高い海底ケーブル敷設船での工事の実現を目指す。

 さらに、航行距離や速度向上により、適用海域も現在の太平洋、アジア海域から全世界に拡大するとともに、船舶の推進装置の一種である「格納型アジマススラスター」を採用し、悪天候下における耐候性と定点保持能力を高める。

 新船の規模は約9500tで、全長113m、全幅21.5m。定員は80人。速力は13ノットで、けん引力は80tとなる予定だ。

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