スイス最大の蓄電池で周波数調整、NECがシステム構築蓄電・発電機器

NECはスイス大手の配電会社から、同国で最大規模となる大型蓄電システムの構築プロジェクトを受注。蓄電池は周波数調整サービスに活用される。

» 2017年09月13日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 NECとNECエナジーソリューションズ(米国マサチューセッツ州)は、スイス大手の配電会社であるスイスのチューリッヒ州電力(EKZ)から、同国で最大規模となる出力18MW、容量7.5MWhの大型蓄電システム(Grid Storage Solution、GSS)の構築プロジェクトを受注したと発表した。

 配電会社は発電所から送られてきた電力を、電圧を調整して需要家に供給する役割を担う。EKZは同蓄電システムを活用し、電力系統における周波数や電圧などの電力品質を維持するアンシラリーサービス市場に対し、「周波数調整サービス」を提供する予定だ。

 同サービスにより周波数の乱れを検知し、障害が発生する前に蓄電システムから充放電を行い、周波数の安定を維持する。変電所はチューリッヒ近郊のVolketswil(フォルケッツヴィール)に設置し、2018年1月〜3月に稼働を開始する計画だ。

 EKZ プロジェクトマネージャのマリーナコンザレス・バージャ氏は「蓄電池が今後の電力ネットワークにおいて重要な役割を果たすと考えている。スイスで周波数調整を行う最初の大規模商用蓄電プロジェクトは、信頼性や継続性の高いエネルギーの確立に向けた重要なステップ」としている。

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