“採光と遮光”を同時に実現するブラインド、制御不要でコストも低減太陽光

大成建設が、採光と遮光を同時に行える新しいブラインドを開発。窓面に設置するだけで、遮光を行いながら、室内の奥にも場所にも光を届けることができる。電気制御が不要なのも特徴だ。

» 2017年09月13日 06時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 大成建設は2017年8月、採光と遮光を同時に行えるブラインド「T-Light Blind」を開発したと発表した。太陽高度の変化に応じて反射方向が変化する特殊なスラット(羽)を利用しているのが特徴で、窓面に設置するだけで、電気制御を行わずに、室内の奥にも場所にも光を届けることができる。

「T-Light Blind」の概要(クリックして拡大) 出典:大成建設

 窓面近くで執務や作業を行う際、太陽光によるまぶしさや暑さを防ぐために、ブラインドを閉めることがある。しかし、ブラインドを閉じると部屋全体が暗くなるため、晴天日でも照明を点灯する場合が多い。また、ブラインドを開けて採光しても、室内の奥まで光が届かず、自然採光による省エネ効果や快適さを得にくいという課題があった。

 T-Light Blindは採光部を上部に、一般的なブラインドと同様の遮光部を下部に配置した一体型ブラインド。遮光部で日射を遮りつつ、同時に採光部から奥行15m程度の天井面へ連続的に太陽光を導くことができる。

 これを実現するのが、採光部に採用している特殊なスラットだ。表裏で異なる反射特性を持つ独自の形状となっており、窓面に設置するだけで太陽高度の変化に対応し、スラット角度を電気的に制御することなく、太陽光を安定的に室奥の天井面へ導くことができるという。光は主に天井方向へ照射されるため、利用者はまぶしさを感じることもない。

「T-Light Blind」の仕様(クリックして拡大) 出典:大成建設
採光部に利用しているスラットと、「T-Light Blind」の導入例(クリックして拡大) 出典:大成建設

 設置方法は一般的なブラインドと同じで、手動で開閉が行える。特別な築工事や電気的な駆動装置および電気設備工事が不要なため、一般的な電動式採光ブラインドよりコストが安いメリットもあるという。

 大成建設では今後、オフィスの他、病院、学校、工場など、さまざまな用途の建物の新築およびリニューアル案件に対してT-Light Blindを提案していく方針だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.