LPガスの検針を自動化、徳島県でLoRaWANを活用する実証開始IT活用

徳島県でLPガス検針の自動化を目指す実証実験がスタート。「LoRaWAN」ネットワークを活用するもので、検針だけでなく地域密着型の生活サービスの創出も目指す。

» 2017年10月04日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 徳島県でLPWA(Low Power Wide Area)を活用したIoTサービス事業創出への取り組みが進められている。ソフトウエア開発のスタンシステムは、愛知時計電機、STNet、大井電気、日本アイ・ビー・エムおよび菱電商事と協力し、LPガスの自動検針および地域密着型IoTサービスの普及を目的とする実証実験に着手した。実証期間は2018年3月までを予定している。

 LPガス事業には、検針、保安、配送の各業務のさらなる効率化が求められている。これら業務の効率化に向けては、消費電力が小さく、長距離通信を実現するLPWAの普及が大きく貢献すると期待される。今回の実証実験では、LPWAの1つである「LoRaWAN」ネットワークを構築し、LPガス事業における自動検針、配送計画最適化および需要家サービスの仕組みの構築を目指す。その後、実験の成果をもとに、地域のLPガス事業者の課題を解決するLPガス向けソリューションとして、他地域も視野に事業展開を進める方針だ。

 構築したLoRaWANネットワークは、単にLPガス用途で活用するだけでなく、地域の課題を解決するIoTの導入や、地域コミュニティを生かした新サービスへ活用できる。そのため、実験を通じて、地域の産学官と連携し、さまざまなテーマに取り組むことで、徳島県全体での地域密着型IoTネットワークサービスの事業化を進める。

実証の概要 出典:スタンシステム

 なお、実証事業と並行して、地方におけるIoTの導入促進に向けたコミュニティ形成にも取り組む。地方での今後のさらなるIoTの普及のためには、解決すべき具体的な課題の明確化と、その課題解決をサポートする産学官のコミュニティが必要となる。このようなコミュニティ立ち上げのために、実証の一環として、すでに徳島IoT活用研究会を立ち上げている徳島経済研究所と協力し、今年度内に「LPWAを活用したIoTサービス開発のワークショップ」などを開催し、多くの企業・団体の参加を呼びかける。

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