インフラ監視を容易に、配線不要の無線センサーシステム検査・維持管理

OKIはインフラ構造物を遠隔監視できる「無線加速度センサーシステム」を開発。構造物の振動や傾きの情報を、配線不要で遠隔から簡単に監視できるのが特徴だという。

» 2017年11月15日 06時00分 公開
[BUILT]

 OKIはインフラ構造物の遠隔監視向けに「無線加速度センサーシステム」を開発し、2018年1月から販売を開始すると発表した。同社の920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop SR無線モジュール」を用いており、配線工事を行うことなく、効率的に構造物の振動データなどを遠隔から収集・可視化できるという。

 現在国内では、高度経済成長期に建設され、老朽化が進む橋梁(りょう)などインフラ構造物の維持管理とその効率化が課題となっている。また、定期点検だけでなく、大規模な自然災害発生時には、インフラ構造物の被害状況の迅速な把握や、安全性の確認が求められる。そのためにセンサーを用いた状態監視システムが利用され始めているが、配線工事を伴う計測器を用いたシステムの構築には大きなコストが掛かる点が課題となっている。

 そこでOKIは、配線工事が不要で設置性を高めた無線加速度センサーユニットを用いたシステムを開発。インフラ構造物の振動および傾きの変化を無線ネットワークを通じてサーバ上に収集することで、容易に遠隔監視が行えるという。

システムの構成イメージ 出典:OKI

 インフラ構造物に取り付ける無線加速度センサーユニットは、5年間を超える電池駆動が可能という。配線工事が不要なため、さまざまな場所に設置できるメリットもある。収集したデータの管理ソフトウェアは、センサーユニットの設定変更やマップ表示による設置場所の管理、収集したデータを可視化する機能を備える。

 2018年1月からインフラ構造物の維持管理を行う事業者や自治体向けに販売を行う。システムの価格はオープン。OKIは2020年までにSmartHop関連事業で、合計20億円の売上を目指す方針だ。

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