ニュース
» 2017年11月29日 06時00分 公開

検査・維持管理:建物内の異音を可視化、大成建設の音源探査システム

大成建設は、建物内の異音箇所を高精度に可視化する音源探査システム「TSounds-Radar」を開発したと発表した。

[松本貴志,BUILT]

全天球カメラとマイクロフォンアレイの組み合わせにより実現

 大成建設は、建物内で発生した異音箇所を高精度に特定、可視化する音源探査システム「TSounds-Radar」を開発したと発表した。本システムの導入によって、より早く正確に異音箇所を把握することができ、迅速で効率的な異音対策が可能となるという。

「TSounds-Radar」を設置した様子 出典:大成建設

 建物内では、設計段階では予測の難しい異音が竣工後に発生する場合がある。接する建築部材間における熱膨張差異による応力発生も異音原因の1つであり、このような異音を低減するには、発生箇所を調査して対策を立てることが必要となる。

 従来手法では、複数点で音と振動を測定し異音箇所を特定していたが、異音は発生頻度が低い場合が多いため、短期間で異音箇所を把握することは困難だった。

 大成建設は、この問題を解決するためTSounds-Radarを開発。TSounds-Radarでは、複数のマイクロフォンを束ねたマイクロフォンアレイを1箇所に設置する。これにより、建物内で発生する全方位の異音を、音源定位理論として知られるMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法により解析し、全天球カメラの画像データと合わせて異音箇所を可視化することが可能となった。

異音発生箇所推定例 出典:大成建設

 さらに、発生頻度が低い異音箇所を特定するため、本システムでは最長で1週間程度の連続計測に対応する。発生音はPCとバックアップ用レコーダーに同時録音が可能で、1度の異音発生で異音箇所を特定し異音対策の迅速化に貢献する。

 また、探査範囲がある程度特定できている場合は、方向や範囲に応じてマイクロフォンの配置を変更することで、より高精度な測定が可能になるという。このため、マイクロフォンを取り付ける円状フレームには、設置する高さや傾きを任意に調整できる機構を設けた。

異なる直径を持つ円状フレームに取り付けられたマイクロフォン。取り付け場所は柔軟に変更できる。 出典:大成建設

 同社は、本システムにより異音の発生箇所を高精度に特定することで、さまざまな建物において積極的に品質確保へ活用するという。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.