用水路で約360世帯分の電力、自然電力初の小水力発電が長野で着工 : 自然エネルギー
自然電力のグループ会社である長野自然電力が、小水力発電所「小布施松川小水力発電所」を小布施町内で着工した。同発電所は、自然電力初の小水力発電事業となり、年間約117万kWh(メガワット時)の発電を見込む。
自然電力(福岡市)のグループ会社である長野自然電力(長野県小布施町)は、長野県が公募した補助対象事業、「平成29年度自然エネルギー地域発電推進事業」への提案が採択され、このほど小水力発電所「小布施松川小水力発電所」を小布施町内で着工したと発表した。2018年春からの運転開始を予定する。
長野県の自然エネルギー地域発電推進事業は、地域主導型の自然エネルギー発電事業を「収益納付型補助金」により支援し、県内各地へ普及させることを目的としている。同発電所は、同地を流れる松川から取水した用水路を活用する流れ込み式発電所で、約190kW(キロワット)の発電能力をもつ。
GUGLER社のフランシス型水車(クリックで拡大) 出典:GUGLER
水車は、自然電力の小水力発電事業におけるパートナーである、GUGLER Water Turbines(ググラー社、オーストリア・ゴールドヴェルト)のフランシス型水車を使用する計画だ。最大使用水量は約1.5立方メートル/秒、有効落差約14.4メートル。年間発電量は、約117万kWh(メガワット時)を見込んでおり、これは一般家庭約360世帯の年間使用電力量に相当する。発電した電力は中部電力へ売電する予定だ。なお、同発電所は、自然電力グループにとって初の小水力発電事業という。
長野自然電力は、自然電力が2016年12月に100%出資し設立。長野県内で再生可能エネルギー発電施設の開発および電力の販売等を行う。自然電力は、今後も自治体等と連携し、地域に根ざした再生可能エネルギーの普及を積極的に行うとともに、ググラー社と小水力発電用水車とエンジニアリング技術の日本市場への導入を促進し、国内の小水力発電用水車の供給不足の解消を図りながら、小水力発電事業の普及などを目指す。
北海道初の農業水路で小水力発電、売電収益で農業を守る
北海道の土地改良区で、道内初となる農業用水路を利用した小水力発電所が完成した。冬期はほとんど農業用水を使用しないため、施設の稼働期間が限定されてしまうという北海道特有の問題を、水利権の確保の工夫でクリアした。売電収益を改良区内の施設の維持管理費に充てることで、農家の負担軽減にもつながる。
100年前の小水力発電を復活させて地域活性、導水にはパイプを使う新手法
三重県伊賀市で、民間主導で100年前の小水力発電所を復活させるプロジェクトが進行中だ。導水手法に低コストかつ高効率な新方式を導入するとともに、収益を地域に還元するという、注目の取り組みだ。プロジェクトの概要とともに、三重大学の坂内教授が考案した新しい導水方式を紹介する。
水力発電で地域振興、豊富な水源と地形を生かして290世帯分の電力に
水力発電が盛んな岐阜県で、新たに2カ所の水力発電所が稼働した。2つの発電所の合計で年間290世帯分の電力を発電することができる。地元の農業水利施設を活用した発電所だが、売電収益を地域振興施設の電気代など、農業施設以外への活用を認めているのが特徴の事業だ。
小水力発電と海流発電が離島に、天候に左右されない電力を増やす
鹿児島県の奄美大島では古い小水力発電所が5倍以上の規模で復活した。石油火力発電に依存する離島の中でCO2を排出しない電力を供給する。近隣の島の沖合では海流発電の実証試験を計画中だ。本土側では原子力発電所の周辺地域にメガソーラーが広がり、新しい地熱発電所の建設も進む。
町営の小水力発電所が動き出す、大都市には最先端の下水バイオマス
和歌山県を通って太平洋へ流れる川の上流で小水力発電所が運転を開始した。流域にある町がダムの放流を利用して発電事業に取り組む。県内最大の和歌山市では下水の汚泥を燃焼させた廃熱で2段階に発電するバイオマスプラントが稼働した。風力と太陽光でも大規模な発電所の建設が続々と始まる。
県営の小水力発電所の電力を高く売れる、年間で1億9000万円の収入に
長野県は建設中の2カ所の小水力発電所の電力を新電力に売電することを決定した。いずれも2017年4月に運転を開始する予定で、合計で1750世帯分の電力を供給できる。新電力は固定価格買取制度の単価に0.5円を上乗せして買い取り、東京・中部・関西電力の管内で販売する計画だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.