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» 2017年12月28日 10時00分 公開

ビルを低コストにスマート化、“オープン”を強みにデルタ電子が国内市場開拓へ

デルタ電子がビルオートメーション(BA)事業への取り組みを強化している。2016年に買収したLOYTEC社のオープンなBA製品を強みに、「既存資産を最大限に生かせるスマートビル構築」を提案。ビル全体のエネルギーコストの削減と快適性、さらに地球環境への貢献などを提案しながら業績の拡大を目指す方針だ。

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 台湾・台北市に本社を構えるデルタ電子は、グループ全体で全世界43カ国に163カ所の営業拠点、39カ所の製造工場、R&Dセンター64カ所を配置し、9000人を超すエンジニアを擁するグローバル企業だ。スイッチング電源、ブラシレスDCファン、パワーチョーク抵抗、テレコム向け電源などの製品は世界でトップシェアを誇り、2016年の売上高は前年比3%増の77.8億米ドル(約8500億円)を記録した。

 このように、順調に業績を拡大してきた同社が、新たな取り組みを開始している。これまで、パワーエレクトロニクス、エネルギーマネジメント、スマートグリーンビル事業に分けてきた主力製品を、最近の事業環境の変化や社内の事業部の顧客、市場、コア技術、事業戦略などの共通性を踏まえて「パワーエレクトロニクス」「オートメーション」「インフラストラクチャー」(ICTインフラ・エネルギーインフラ)の3つのカテゴリーに再編し、新たに製品の開発やソリューションを提供している。2017年5月には組織変更を行うなど組織の体制を固めており、日本でもこの戦略に沿って市場開拓に取り組んでいる。

デルタ電子 第5営業部 マネージャー 林 宗暉氏

 このうちオートメーション分野で産業用オートメーション事業とともに主力となるのがビルオートメーション(BA)事業だ。デルタ電子はグリーンビルのパイオニアとして2006年から、台湾をはじめ、中国、インド、米国などで自社のオフィスビルなどの省エネ・スマート化を実現してきた。この事業への取り組みについて、デルタ電子 第5営業部 マネージャーの林宗暉氏は「当社は電源メーカーとしてスイッチング電源では世界のトップシェアを誇るなどの実績を残している。これら電源の消費電力の1%削減でも、その波及効果は絶大なもので大きな社会貢献につながることに鑑み、省エネを強みとする製品の強化に乗り出した。さらに、製品を開発・提供するだけでなく、自ら本社(台北市)ビルで採用稼働させ、LEED(Leadership in Energy&Environmental Design)のプラチナ認証を取得するなど、グループの業務全体のさらなる省エネに組み込んでいる。こうした取り組みが、BA事業の拡大につながっている」と説明する。そうした活動により台湾では環境保護のリーディングカンパニーとして高い評価を受けているという。

デルタ電子が手掛けたグリーンビルプロジェクト

 同時に、「ビルなどの省エネに取り組むということは、環境への貢献に加え、事業のコストダウンを図れるという大きなメリットが生まれる。我々はこの環境保護とコストダウンの両面を提案し、BA事業でグローバルに実績を積んできた」(林宗暉マネージャー)という。同社はこれまでにグローバルで自社事業所をはじめ24棟の認証付きビルのスマート化に携わってきた。特に、同社の米国本社(カリフォルニア州・フリーモント)は太陽光発電や地中熱源ヒートポンプシステムなどさまざまな設備を活用することでカリフォルニア州初の「ZEB(ゼブ、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」となっている。

LOYTEC(ロイテック)社の技術が大きな強みに

 デルタ電子のBA事業の中核であり、大きな強みとなっているのが、2016年4月にデルタグループに加わった、オーストリアに本拠を置く開発企業LOYTEC(ロイテック)社の技術力だ。ロイテックは1999年にウィーン工科大学からスピンアウトした教授陣や研究員により創立された。従業員は約70人で、その6割が製品開発に従事しているという高い技術力を持つ企業だ。BAに関するプロトコルの1つであるLONの規定に大きく関わったことで知られる。

 デルタ電子は、同社の製品を扱うことで、より幅広く、多様なビル向けのトータルソリューションを提供できるようになったという。その理由は、ロイテック社の製品の特徴にある。同社の製品は国際的なLON、BACnetをはじめとする各種BAのプロトコルに対応しており、既存ビルのシステムとの親和性が高く、空調、照明、エネルギー、給配水、エレベーター、電力、セキュリティなどのサブシステムをBACnet、LonWorksあるいはKNXベースのネットワークで、コントローラーレベルでシームレスに統合することにより、単一プラットフォームに統合することが可能なのだ。ロイテックは、これまで、各種ルーターおよびゲートウェイのネットワーク・ソリューション機器、統合型組み込み式オートメーション・サーバー、I/Oコントローラーによるビル自動化ソリューション、ルーム・オートメーションシステム、DALI照明コントロール、PCあるいは携帯機器に搭載するグラフィカルユーザーインタフェースなど、幅広いソリューションを開発・生産および販売してきた実績がある。

 また、統合ビル管理システムである「LWEB-900」は、運用管理に必要なユーザーインタフェースを提供する。システム拡張に柔軟に対応し、デバイスの統合(IPベースのL-INX・IP・L-IOB・L-ROC・L-GATE・L-VIS他)機器管理、日々の運用管理オペレーションに至るまで全てのフェーズで活用することが可能だ。これにより、プロジェクトの全フェーズにおいて、多様なインタフェースをサポートし、同一のプラットフォームで作業を行うことができる。また、L-ROCルームコントローラはIPベースの全く新しいルームオートメーションの仕組みを提供し、変更要求に対して少ない工数で柔軟に対応する。

「LWEB-900」のシステム構成イメージ

 BAにおいてマルチプロトコルに対応できるということは、システム構成の自由度が大きく高まることにつながる。システムに利用できる機材の選択肢も広がる。デルタ電子では、こうしたロイテック製品の優れたアーキテクチャのオープン性を強みに、既存の資産を最大限生かしながら、新しい省エネビルを実現するソリューションをオフィスビル、商業施設などに向けて提案している。

デルタ電子 Sales&PES IV,BASBD 部長 鎌田博之氏

 ロイテックの製品の特徴について、デルタ電子 Sales&PES IV,BASBD 部長の鎌田博之氏は「あえて言えば“特徴がないのが一番の特長”といえる。徹底してユーザーの利便性を追求しており、特定のメーカーのプロトコルに縛られない柔軟性が多くのクライアントの注目を集めている。ロイテック製品はBACnet、KNX、LONなど国際的にBAで使用されている、いわゆるディファクトスタンダードとされる通信プロトコル全てに対応しており、既存のシステムの更新にも柔軟に対応できる。他のメーカーのように独自規格を採用することは、短期的にはそのメーカーの利益になるだろうが、ユーザー視点で考えればどちらがいいかは明らかであると考える」と話す。

 ロイテック製品は日本でもこれまで東京・大崎のソニービルや、リゾート施設のハウステンボス(長崎県佐世保市)などに導入されるなど、多くの実績を残している。そのため全くの新規参入とは言えないが、デルタグループとして展開することで、照明、太陽光発電、省エネ管理システムをはじめとする自社製品・システムとBAシステムを接続するソリューションとして提案することが可能となった。さらに、今年IPカメラの製品の開発、製造を手掛け、製品の販売と、監視ソリューション事業を展開するセキュリティシステムのメーカーのVIVOTEK社(ビボテック、台北市)をM&Aにより獲得したことで、BA事業の総合サービスの提供を目指したシステム化に弾みがついている。

コストを抑えたい中小ビルの更新に大きなメリット

 デルタ電子では国内のBA市場について、バブル時期に建設された大規模ビルのBAが更新期を迎えているものの、そのコストが高額で二の足を踏んでいるところも多いという。

 「その高いコストの要因は、1つは標準化ができていないことがある。当社のシステムは、ワールドワイドでスタンダートであり、特定のメーカーのモノを限定して採用する必要もないので、世界のどの地域でも現地において、低コストでシステムの調達ができる。グローバル展開している企業はトータルで考えると当社のシステムを採用する方が大きなメリットがある。また、BAのシステムが標準化されているということは、施工や運用の効率化にもつながる。例えばあるシステムを導入した際に特別の研修が必要だったり、専門家を採用したりするということもない。それによる研修費や人件費などのコストを削減できる」(鎌田部長)

 こうした特徴は大規模ビルだけでなく、ビル全体の9割以上を占めているといわれる中小ビルにより生かされる。潤沢な資金がないところに対しても、標準品で対応できるメリットがあるためだ。中小ビルが全国に広がる日本市場はデルタ電子のBA事業に対して大きなポテンシャルがあるといえそうだ。

 今後の販売戦略としては、基本的には計装関係のSIer(エスアイヤー、システムインテグレーションを行う業者)を中心にパートナー企業を募り、全国展開する方針だ。パートナー企業は現在7社で今後、3年以内に技術力、信頼性のある企業を絞った上で20社まで拡大することにしている。また、パートナー企業になるには、同社の技術研修を受けてもらうことが条件となっており、最低2人以上のエンジニアに研修を積んでもらった上でパートナー企業として契約することとなる。パートナー企業として登録後には、ロイテックのHPに掲載される。このほか、BAに太陽光発電システム、EV充電チャージャー、照明など同社が取り扱う製品全体をパッケージにしてソリューション提供することも計画している。

 販売先もオフィスビルをはじめ、商業施設、ホテル・病院、工場・倉庫などもターゲットとする。その場合にはデルタ電子の他の製品・技術を統合したビジネスともなり、BAだけでなく、相乗効果により企業全体の売り上げにも貢献することが期待される。なお、BA事業での目標販売数は2018年度で50サイトとする。

 この他、デルタ電子の日本現地法人(東京都港区)の自社ビルには同社製の蓄電システムを地下に設置し、電力使用の平準化にも取り組んでいる。2018年にはLEED認証を取得する方針だ。デルタ電子はこうしたビルなどの環境関連取得のノウハウを生かしてLEEDやWELL認証(WELL Building Standard、空間のデザイン・構築・運用に人間の健康という視点を加え、より良い住環境の創造を目指した評価システム)など各種認証取得を支援する業務も開始する。

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提供:デルタ電子株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2018年1月31日