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» 2018年02月14日 07時00分 公開

省エネ機器:樹脂のように使えるガラス、LED照明の自由度を高める (1/2)

産業技術総合研究所と石塚硝子は、優れた耐光・耐熱性を持つ無色透明な低融点ガラスを開発したと発表した。LED照明のレンズや透明封止剤など、光学機器への応用が期待される。

[長町基,スマートジャパン]

 産業技術総合研究所(産総研)と石塚硝子は、500℃程度と低温で成形が可能な、耐水性、耐熱性、耐光性を持つ無色透明な低融点ガラスの作製技術を開発したと発表した。得られたガラスは、LED照明のレンズや透明封止剤などさまざまな光学材料への応用が期待される。

今回開発したガラス作製技術の概念 出典:産業技術総合研究所

 シリカガラスに代表される一般的なガラスは、耐熱性、耐光性、光透過性に優れており、光ファイバーや光学レンズなどさまざまな光学材料に用いられている。しかし、ガラスを溶融・成形するためには高い温度を必要とするため、一般のユーザーが自由に成形することは難しいという課題があった。

 一方、ポリカーボネートなどの有機高分子樹脂は、耐熱性、耐光性、光透過性の点ではガラスに劣るものの成形温度が低く安価なため、その特徴を生かしてLED照明の封止剤やレンズなどの光学材料に用いられている。しかし、近年のLEDデバイスは高輝度化、短波長化が進んでおり、これら樹脂製レンズや封止剤用樹脂の劣化が大きな課題となっている。

 よって、溶融・成形温度の低いガラスを開発できれば、ガラスの特性を生かし光学デバイスの耐久性や性能が向上すると期待され、ガラスを樹脂に近い低温度域で液相合成から成形加工まで行えるプロセス技術が必要とされていた。

 今回開発した技術では、常温で流動性を示すリン酸と、物性を制御するさまざまな金属化合物を原料として、ガラスの前駆体液を調製する。この前駆体液は、約500℃という低温で流動性を示すガラス融液となり、成形・冷却することでガラスが得られる。ガラスの屈折率などの物性は、前駆体液に添加物を加えておくことで調整できるとする。

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