映像でクレーンの接触事故を防ぐシステム、画像認識を活用現場管理

東洋建設はクレーンによるつり荷作業の安全性を高めるシステムを開発。クレーンのブーム先端に設置するカメラの映像から画像認識で作業員を検出して警報を出すことで、接触事故などの防止に役立てるという。

» 2018年03月20日 06時00分 公開
[BUILT]

 東洋建設は2018年3月13日、クレーンを利用した荷作業の安全性を高める「クレーンカメラ映像検知システム」を開発したと発表した。クレーンのブーム先端に設置したカメラの映像と画像認識技術を活用したシステムで、荷付近へ作業員が近づくと通知を行い、接触などの事故を防ぐのに役立つという。

 クレーン作業は、操縦者が合図者の指示に従ってつり上げ、つり下ろしなどの操作を行う。しかし、作業場所の環境によってはクレーン操縦者がつり下ろし場所を直接目視確認できない場合がある。こうした場合、クレーンに搭載するカメラ映像で、操縦者が直接目視できない範囲を補うが、つり荷の上方からの映像であるため、映る人の姿は小さい。さらに、操縦者の意識がつり荷や据え付け場所に集中すると、人の認識が遅れる恐れがあるという。

 今回開発したクレーンカメラ映像検知システムは、作業員が着用しているヘルメットの色などを事前に登録しておくことで、カメラ映像から作業員を同時に複数人検出・追尾できる。設定したエリア内に作業員が侵入したことを検知すると、モニターに赤色の枠が表示されるとともに警告灯が点灯し、クレーン操縦者に危険を伝える。カメラの設置位置、向き、焦点距離が変更されても作業員を検出できるという。

「クレーンカメラ映像検知システム」のイメージ 出典:東洋建設

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