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» 2018年04月23日 07時00分 公開

エネルギー管理:街に水素100%で熱電供給、神戸市で実証に成功

大林組と川崎重工は神戸市のポートアイランドで、水素だけを燃料として利用し、市街地に熱と電力を供給する実証試験を成功させた。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 大林組と川崎重工は神戸市のポートアイランドで、水素燃料100%のガスタービン発電による熱電供給を行うことに成功した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトで実証試験として行ったもので、市街地で水素のみを燃料とするガスタービン発電で熱電供給を実施した例は、世界初という。

 川崎重工はこれまでNEDOプロジェクトの一環として、水素を利用できるガスタービン発電設備の開発している。水素専焼と、水素と天然ガスを任意の割合で混焼させるどちらの運用も可能なのが特長という。2017年12月にはこのガスタービンを利用し、水素を燃料に電力と熱を供給できる1MW(メガワット級)「水素コジェネレーションシステム(水素CGS)」を開発し、これを核とする実証プラントをポートアイランドに設置。2018年1月から試験運用を進めてきた。

神戸ポートアイランドに設置した実証プラント 出典:NEDO

 今回行った実証試験は、この実証プラントを実際に運用し、水素で発電した電力と熱をポートアイランド内の4施設に供給するというもの。水素CGSの性能と、熱電供給を最適に管理する大林組のエネルギーマネジメントシステム(EMS)の動作を確認するのが目的だ。

 実証は2018年4月19〜20日にかけて実施。水素のみを燃料として水素CGSを運用し、中央市民病院とポートアイランドスポーツセンターの2施設に2800kW(キロワット)の熱を、これら2施設に加えて神戸国際展示場とポートアイランド処理場の4施設に合計1100kWの電力を供給することに成功し、システム全体が問題無く稼働することを確認できたとしている。

水素100%時の運転状態を表す制御画面 出典:NEDO

 今後も引き続き実証試験を行い、季節ごとに各種データを取得することで、電力、熱、水素を組み合わせた最適なエネルギー制御・供給システムの確立を目指す方針だ。

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