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» 2018年04月26日 07時00分 公開

蓄電・発電機器:フィルム型蓄電池を増産、住宅太陽光の2019年問題を見据え

積水化学工業が住宅向けのフィルム型蓄電池の増産を決定。2019年以降、住宅太陽光の自家消費向けに蓄電池需要が増加することを見越し、約40億円の投資を決めた。

[長町基,スマートジャパン]

 積水化学工業は、連結子会社であるエナックスの中部事業所(愛知県常滑市)で、住宅向けを中心としたフィルム型リチウムイオン電池(フィルム型LiB)の生産設備を増設し、生産能力を増強することを決定した。生産ライン新設と併せて、同社つくば事業所とエナックス中部事業所に分散していた生産工程をエナックス中部事業所に集約し、一貫生産体制を構築して生産効率の向上を図る。投資額は約40億円。生産設備の稼働は2019年度下期を予定しており、稼働後のフィルム型LiBの生産能力は、約1万棟分となる。

積水化学工業が生産するフィルム型太陽電池 出典:積水化学工業

 同社は、高安全・長寿命・高容量を同時に実現でき、競争力のあるフィルム型LiBの事業を次代の成長を担う戦略事業として位置付け、2017年に住宅向け製品を発売し、事業を開始した。同社製品は、京セラが販売する住宅用蓄電システムを構成する電池ユニットに搭載され、このシステムは同社のセキスイハイム商品に採用している。

 2019年には、「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」の適用が終了する太陽光発電システムを搭載した住宅が発生し始め、以降も増加が見込まれている。そこで、太陽光発電システムで発電した電気を有効活用するために、蓄電池の需要が拡大すると予想されている。同社グループが過去に販売したセキスイハイムは、18万0126棟(2016年12月末現在)に太陽光発電システムの搭載実績があり、これらのユーザーにFIT適用終了後も発電した電気を有効活用する手段を、同社から積極的に提案するという。さらに、国内で災害が相次いでいることを背景に、防災・減災意識が高まり、エネルギーの自給自足、安心・安全に貢献する蓄電池に高い関心が寄せられているなどの市場環境もあり、生産設備の増強を決めた。

 今後は、今回決定した住宅向けフィルム型LiB単電池の生産ライン増設とあわせて、京セラとの連携により、住宅用蓄電システムの製品バリエーションの拡大を検討する。併せて、新築向けだけでなく、2019年以降FIT適用が終了する太陽光発電システム搭載住宅に向けた拡販も進め、拡大が予想される住宅向け蓄電池需要の獲得を図る。

 さらに、住宅向けフィルム型LiB単電池生産機能のエナックス中部事業所への集約と合わせて、同社つくば事業所では車載向けフィルム型LiBの開発体制を整備・強化する計画だ。

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