デジタルサイネージジャパンからDS市場のトレンドを探る特集「デジタルサイネージジャパン」(2/3 ページ)

» 2018年06月18日 06時00分 公開
[石原忍BUILT]

映像技術を駆使した「日本食・食文化」の演出、丹青社

 ディスプレイ業大手の丹青社のブースは、最先端の映像技術を使用した空間で、農林水産省が取り組む「日本食・食文化」を国内外にプレゼンする映像コンテンツを展開した。

 ブース内の密閉空間に、6人限定で入場させ、日本料亭をテーマにした映像を放映。キヤノンのリアル4Kプロジェクタ―による映像で、没入感ある和の空間を創出。中央に配置した6人用のテーブルは、タッチパネル式のサイネージになっており、和食のコースが表示される。ピンチアウトでの拡大やスワイプでの前方の壁への投影などの仕掛けで、DSを活用したこれからの空間演出技術を示した。

ブース外観、ブース内に設けられた映像空間
テーブルトップがDS仕様、和食を表示

パナソニックは多言語や観光対応で訴求

 パナソニックは、ブース内を商業施設、国際線施設、空港エントランスの3つのゾーンで構成。商業施設は非常放送と連動したタイプや飲食店の混雑状況をライブ配信するタッチサイネージを配置した。

 国際線施設のエリアでは、プロジェクターとディスプレイデバイスを融合した迫力ある大型映像を流せる筐体、複数のディスプレイを組み合わせた大規模なサイネージのコンテンツをプログラミングで自動生成できるシステムなど、多角的な導入提案を行った。

 空港エントランスでは、インバウンド需要を見込んで、観光情報などを多言語で表示するタッチパネル搭載の屋外用サイネージをPRした。

左からカメラ連携のインタラクティブタッチサイネージ、非常放送連動サイネージ

pdcの提案する次世代のクラウド型DS運用システム

 パナソニックの社内ベンチャーで、DSの国内外2万カ所のシステム構築や配信運営を行っているpdcは、さまざまな導入実績を披露した。

 一例を挙げると、霞が関ビルディング竣工50周年イベントのビル壁面全体を使ったデジタル掛け軸を60台のプロジェクターで展開した。2017年10月には東武スカイツリーライン浅草駅の浅草エキミセ外壁に320インチ(縦4416×横7872mm)のLEDビジョンを掲出。東京ミッドタウンでは、エントランス部に内装デザインと融合させた65型ミラーサイネージ3面を設置した。

豊富な導入実績のパネル紹介

 ソリューションでは、アニメーションキャラクターが多言語で自動音声応答する会話型AIおもてなしサービスをメインにブース展開。人手不足の解消や訪日外国人の問い合わせ対応に役立つとPRした。

 製品では、カメラの画像解析を利用した顔認識・視聴者属性の分析システム「OneGATE_SENSING」、次世代のクラウド型DS運用システム「AFFICHER(アフィシエ)」を解説。AFFICHERは、8Kでのコンテンツ配信にも対応し、内容、プレイリスト、スケジュールを登録すれば、サーバレスで運用環境を構築できる。

 また、40V型の最厚部でも約21mmかつ重量約6.5kg(キロ)の業界最薄・最軽量のDSポスターも参考出品。ポスター感覚で手軽に設置ができる簡易施工性をアピールした。

顔認識技術

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