POPや店舗什器など販促市場でも進むデジタル化、「店舗販促EXPO 夏」レポート特集「第6回 店舗販促EXPO 夏」(2/3 ページ)

» 2018年07月12日 06時00分 公開
[石原忍BUILT]

フラッシュ撮影でビジュアルが変わる?東京リスマチックのFLASH PRINT

 日本創発グループで、商業印刷サービスビューローの東京リスマチックは、付加価値プリントサービスをPR。スマートフォンやカメラでフラッシュ撮影すると、肉眼では見えない物が写る印刷技術「FLASH PRINT」の撮影コーナーを設置。ここ数年、SNSで写真をシェアすることが流行していることを受け、新しい販売促進や広告宣伝手法として提案した。同社ではデータ処理から、専用の塩ビシートへの出力、ラミネート後のパネル加工までを受注する。

「FLASH PRINT」の出力物。左から肉眼、右がフラッシュ撮影
ブラックライト印刷をしたポスター。カラー部分がブラックライトを当てると浮かび上がる

 ブース内に設けられた暗室では、「ブラックライト印刷」と「蓄光印刷」の出力物を掲出。ブラックライト印刷は、特定の紫外線のみに反射して発色する顔料系インクを使用。ブラックライト(紫外線)を印刷物に照射することで、鮮やかなRGBカラーのビジュアルが浮かび上がる。

 蓄光印刷は、日光や蛍光灯の光を吸収して暗闇で光る蓄光材を利用したシルクスクリーン印刷のことで、蓄光による発光は時間経過とともに減衰していくが、再び紫外線を照射・吸収すれば、くり返し発光する。暗室で幻想的な雰囲気を醸し出す光るポスター、販促用ステッカー、避難誘導サインなどへの用途が示された。

 店内什器は、インストアからイベント・展示会までに使えるラインアップを出品。ベーシックな商品陳列タイプをはじめ、商品をビッグサイズで再現するPOPや飛び出すタイプ、ノベルティBOXなどで、設計から、企画・デザイン、印刷までのワンストップサービスでの対応をPRした。

屋外広告の視認率調査に役立つ、効果解析システム

 屋内外サインの設計・施工を行うセイビ堂は、屋外広告を見た視認者の効果解析システム「GAZE analysis」のデモを行った。

 同システムは、看板に設置されたセンサーカメラで、視認者の目の動きを読み取る仕組み。解析結果では、視線がどこに停留していたかを視線がとどまった時間により、「ヒートマップ」で表示。消費者の関心や注目点を分析するベースとなり、デザイン効果や媒体の価値などの検証に生かせる。

 もう一つの分析結果、「ゲイズプロット」では、視線の動きがどの位置から始まり、どの順番で、どのくらいの時間を見たか、視線の動きを解析し、看板を最適化するのに役立つ目の軌跡を表す。

 対象とする屋外広告は、デジタルサイネージやビジョンだけに限らず、天吊りサインやファサードサイン、ポールサインなども含まれ、幅広い広告で視認率のリサーチが行えるという。

「GAZE analysis」の分析結果。左がヒートマップ、右がゲイズプロット

吉野家に採用された屋外用デジタルサイネージ

壁面埋め込みタイプの65V型屋外用のフルHDデジタルサイネージ

 日本郵便メンテナンスは、日中英韓対応のインバウンド向けや屋外用フルHD、木製フレームの各種デジタルサイネージを出展。インバウンド向けは、「カンタンサイネージ32V型」。ディスプレイ下部に4カ国語のボタンが設置され、各ボタンを押すことで、対応した言語で映像や画像が表示される。

 屋外用のフルHDデジタルサイネージは、壁面に埋め込むタイプの65V型(画面サイズH1428×W803)が飲食チェーンの吉野家に導入されており、2500cd/m2(カンデラ毎平方メートル)の高輝度で高い商品訴求効果が支持されている。コンテンツの再生は、USBメモリで更新し、スケジュール機能により、時間毎に表示内容を変えることが可能。ラインアップは65V、55V、46V、32Vの4種類。

 変わり種商材では、屋内植物育成用のアルミケース製の棚と人工培養土の実物を展示。LED光を太陽の代わりに、ヴェルデナイト(人工培土)を大地の代替として、次世代の野菜工場を示した。

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