インテル×関西電力の「宅内IoT」実証、「50%がサービス継続を希望」IT活用(2/2 ページ)

» 2018年07月18日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]
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関西電力と共同実証、その成果は?

 インテルでは、エネルギーに関連したさまざまなサービスを提供する「家庭向け宅内IoTサービス」の実証試験を6カ月間、関西電力の参画を得て実施した。家庭内に同社のゲートウェイと、環境センサーを設置し、居住者に対して、自宅の二酸化炭素濃度、室温・照度などの住環境に関する情報を関西電力のプラットフォーム「はぴ eみる電」を通じて、提供するものだ。この実験には70世帯が参加した(関連記事:「『IoTの新たな可能性探る』 インテルと関西電力がスマートホームの実証実験を開始へ」

実証の概要(2017年4月の発表資料より) 出典:インテル

 実証実験の結果、「(実験に参加した家庭の)50%がこのサービスの継続を希望した。85%の家庭は自分で簡単に設定できたと答えた。また、88%の家庭はサービスが生活の質が向上したと回答し、50%がデータ提供と分析に価値があると答えるなど、素晴らしいフィードバックを得ることができた。結果から見て、このサービスは非常にチャンスがあると考える」(ポーリン氏)と自信を見せた。

有吉氏

 実証実験に参画した関西電力理事営業本部副本部長の有吉猛氏は「このサービスは、われわれにとっては新しいホームゲートウェイ、環境センサーをつけた実習試験として、非常に価値があった。安定的なデータ収集も実現でき、導入先である居住者の評価も高かった。それだけに5つのサービスだけにとどまらず、より充実したものを提供できればよかった、と思っている。引き続きインテルの協力し、広く暮らしに関わる実証試験に取り組みたい」と意欲を示した。

 さらに「電気、ガス、水道などのサービスは、今では当たり前のものとなり、普段意識してもらうこともあまりない。しかし、自由化により競争が始まってきたことで、見えるかたちでサービスを提供することが必要であり、そういう点で今回の実証には意味があった。さまざまなものを接続するとサーバ、ネットワークなどに負荷がかかるが、インテルのゲートウェイは、一定の処理を家庭の中で行ったり、ダウンサイジングしてデータをネットワークに流したりするなど、将来を見据えた機能が備わっていることから、より価値のある実験ができた」と評価した。

 この他、今後のデータの活用方法については「それ自体を使ってビジネスをする考えはなく、こうしたデータを生かして、他の企業と連携して客に新たな価値を感じてもらえるようなことを検討している。そのため、実証実験は2018年度中にさらに拡大して実施する予定だ。将来的には見える形でのサービスの提供を目指して、効率のよい、簡単に低価格で提供できるサービスを、連携できる企業などと一緒に取り組んでいきたい」と述べている。

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