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» 2018年08月08日 12時00分 公開

BIM/CAD:長谷工が構想する「BIM」とマンション情報を集約させた「LIM」のプラットフォーム構築 (1/2)

長谷工コーポレーションは、長谷工オリジナルの「BIM(Building Infortmation Modeling)」と、マンションに関わるさまざまな情報を“見える化”する独自の概念「LIM(Living Infortmation Modeling)」を本格的に活用し、住まい情報と暮らし情報のプラットフォーム構築を目指している。

[石原忍,BUILT]

 長谷工コーポレーション(以下、長谷工)は、独自BIMモデルの積極活用と、暮らしの情報を集約した「LIM」データを双方に活用できるプラットフォーム「HASEKO BIM&LIM Cloud」の構築を目指している。

マンションに特化した長谷工版BIMを開発から販売まで活用

 長谷工ではこれまで、「長谷工版BIM」をはじめ、測量・管理・検査でのドローン導入、VR(仮想現実)を使った内見会、AR(拡張現実)技術を取り入れた施工検査、高齢者施設でのコミュニケーションロボット採用など、開発から販売に至るさまざまな場面で、ICT技術の検証を進めてきた。今後は、マンションに設置したセンサー情報を収集するなどして、暮らしに関わる情報を集積した「LIM」の取り組みとBIMを連動させることで、ICTを使った新たなマンションの商品企画などを実現するプラットフォーム「HASEKO BIM&LIM Cloud」の構築を進める。

長谷工が構想するプラットフォーム「HASEKO BIM&LIM Cloud」 出典:長谷工コーポレーション
新築マンションのVR内見 出典:長谷工コーポレーション

 長谷工がICT技術の活用を進める背景には、マンション受注が好調にある一方で、技能者不足や建設コストの上昇、少数世帯・高齢化によるニーズの多様化といった解決すべき課題があることが挙げられる。これをBIMと新たなLIMを組み合わせ、その先に日々進歩するICTの要素技術(AI、センサー、ロボット、VRなど)を用いて解決することが狙いだ。

 BIMに関しては、長谷工は2012年の設計部門からBIMに取り組み、Autodesk社の「Revit」をベースに、マンションの設計・施工に適合するようにオリジナルのBIMツール「長谷工版BIM」を開発している。

 現状では、施工段階で、配筋検討3Dモデルを使い、L型架構仕口部分の鉄筋位置を確認することに利用している他、設計・施工だけに限らず、マンション販売においても活用。パナソニックエコソリューションズと協業し、3次元でCG化されたデータをオリジナルBIMビュワーで閲覧して、バーチャル内見を行うといったB2C領域にも広げている。VR内見では、ドローン技術で協力しているエアロセンスと共同で、室内外から撮影した画像をBIMモデルと組み合わせて、マンションからの眺望を疑似的に体験できる他社にない独自要素も加わっている。

L型架構部配筋検討3Dモデル 出典:長谷工コーポレーション

 今後は、長谷工版BIMとして、基本・実施設計段階から、設備、仮設検討、施工管理、積算、竣工後の販売・管理、リフォーム・リノベ提案まで、トータルでの活用を目指す。2018年度には新築マンションの着工ベースで60%となっている適用範囲を、2019年度には100%とする計画。将来的にはここに、AI、ロボティクス、ARといったICT技術を積極的に取り入れ、設計・施工業務のさらなる効率化を図っていくことを掲げる。

ドローンとBIMモデルを活用した躯体工事検査(設計図重畳) 出典:長谷工コーポレーション

 一方の「LIM」はこれからの試みで、マンションの開発から販売・管理まで数多く手掛けてきた長谷工ならではの発想といえる。

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