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» 2018年09月04日 11時00分 公開

フルハーネス着用義務化:2019年2月からの義務化に先立ち、3M本社で国内向けモデルなど初の“フルハーネス”体験会 (1/2)

2019年2月から建設業界でも5m以上の高所作業でフルハーネス安全帯(墜落制止用器具)の着用義務化が始まる。グローバル市場でフルハーネス安全帯を販売しているスリーエムジャパンは、フルハーネスの製品ラインアップ紹介と吊(つ)り下がり体験会を都内で行った。

[石原忍,BUILT]

 スリーエム ジャパン(以下、3M)は2018年8月29日、「3M フルハーネス体験会〜明日、現場で言いたくなるようなフルハーネスの秘密〜」を東京・品川区の本社で初開催した。

建設業の高所作業で40年近い知見を生かし、国内向けモデルを開発

 体験会は、建設現場でフルハーネスタイプの安全帯(正式名称:墜落制止用器具)着用が義務化されることを受け、建設現場で働く作業員を招いて3Mの最新フルハーネス製品を体感してもらうことを目的にした初の試み。

 フルハーネスの義務化は、厚生労働省がとりまとめた「第13次労働災害防止計画」のなかで、2018〜2022年を実施期間に定めた重点施策として示されている。改正内容は、建設業界の死傷事故で最多となっている「墜落・転落」を防止するため労働安全衛生法を改正し、高さ5m(メートル)以上の作業で、これまでの胴ベルト型安全帯の使用を禁止して、フルハーネス型の着用を義務付ける。改正法の施行は2019年2月1日、旧規格から新規格への一定の経過措置期間を経て、2022年1月には現行構造規格の安全帯のうち、胴ベルト型安全帯および新規格の性能を満たさないフルハーネスの着用および販売が全面的に禁止される。

法改正の背景―墜落事故の統計

 主催した3Mは、建設業の高所作業において、グローバルで40年近い知見があり、製品開発や販売だけにとどまらず、Education(トレーニング)を重視した展開を行っている。フルハーネスの正しい理解・適正な利用が不可欠と捉え、今回の体験会もその一環として行った。

中辻事業部長

 同社のフルハーネスは、米国はもちろん欧州でもスタンダードな安全帯として広く浸透している。国内でも、日本人の体格やニーズに適合するようにカスタマイズした国内向けモデルを発売しており、2017年5月からは独自に製作した「デモトラック」で、全国のゼネコンや工事現場などを訪問し、トルソーを使った落下デモなど、フルハーネスの普及・啓発活動をフェイス・トゥ・フェイスで行う取組みをスタートさせている。

 第1部のトークセッションでは、安全衛生製品事業部 事業部長・中辻陽平氏が登壇し、車座に座った参加者に法改正のポイントやハーネスの構造をレクチャー。中辻氏によれば、「建設業では年間2万件の墜落・転落死傷災害が発生し、1日に換算すると50人以上が墜落し、1週間で5人が亡くなっている計算になる。米国では先行すること、1998年にフルハーネスの着用を義務化。これまで法的な枠組みで縛る必要が無かった日本でも、重篤な労働災害防止を目的に、海外に遅れること2019年2月から高所作業でのフルハーネス使用が原則となる。併せて、墜落防止用器具(フルハーネス型)に関する学科や実技の特別教育の受講も必須となる」と説明。

日常的にフルハーネス型安全帯を使用している建設業技能者が参加した
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