雑草対策に使うその前に、太陽光発電事業者が知っておきたい農薬知識基礎から学ぶ太陽光発電所の雑草対策(6)(2/2 ページ)

» 2018年10月22日 07時00分 公開
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2.さまざまな種類がある農薬、対策の目的別に使い分けを

 農薬は用途別に以下の11種類に分類されています。ここでは、さらに第1回「急増する太陽光発電の雑草トラブル、知っておきたいリスクと対策」で説明した発電事業および近隣・地域におけるリスク対策の観点も取り入れて、分かりやすく一覧表にまとめてみました。

農薬の種類

 発電事業のリスクの一つに、動物よるケーブル被害があります。これは、保険対象外のケースが多く、非常に頭が痛い問題です。とくに、ネズミなどげっ歯類によるケーブルをかじる被害(間接リスク)はよく耳にします。

 私は、この対策の一つとして、殺そ剤の発電事業枠に丸をつけました。ただし、殺そ剤や殺虫剤、殺菌剤等は「毒物及び劇物取締法(いわゆる毒劇法)」に該当するものが多いので、取り扱いには最大限の注意が必要です。

 また、近隣・地域に多くの丸がついていますが、これは間接リスク対策に使用する可能性が高いためです。間接リスクの具体的事例としては、雑草に大量のカメムシやアブラムシなどが大量発生し、近隣・地域から苦情、防除の依頼があった場合、殺虫剤を使用する可能性があります。なお、虫がつきやすい植生はだいたい決まっていますので、除草剤を使用する目的をきちんと説明すると近隣や地域から理解を得やすくなります。

 次回は農薬の安全性および、太陽光発電所において利用するメリットとデメリットについてご説明します。

 最期に今年の大雨、台風により多くの発電所が土砂流出などの被害を受けたお話を聞いております。被害を受けられたみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。太陽光発電所は地球温暖化を防止する一つの重要な手段なので、一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。

著者プロフィール

増田幹弘(マスダ ミキヒロ)
野原ホールディングス株式会社 経営企画部 再生エネルギープロジェクト室長
太陽光発電アドバイザー、緑の安全管理士、「東京都農薬指導管理士」

大阪出身、近畿大学卒業。1999年、私費にて参加したエコに関する研究会にて、電気を庭に取り付けた太陽光発電と自動車の大型バッテリーから、給湯は太陽熱を利用するなどの、今でいうゼロエネルギー住宅(奈良県)を視察し感銘を受ける。自宅をオール電化にし屋根には発電システムを取り付け、自宅エネルギー消費データを2年間記録、上記研究会にて発表。その後も省エネ、省資源についての研究を深め、建材の開発、リサイクルシステム、工場のエネルギー消費削減に大きく貢献。

2009年、野原産業(現 野原ホールディングス)に入社。2013年、事業開発部において八ヶ岳研修所の遊休地活用事業として太陽光発電プロジェクトを主幹。現在は、太陽光発電に関わる新事業として、第三者の視点からの太陽光発電設備の保守・点検(O&M)サービス「SUNSUN GUARD 20」を展開。豊富な知識と多様な事例、経験から、太陽光発電事業者向けセミナーにて講師も務める。≫


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