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» 2018年10月22日 09時00分 公開

蓄電・発電機器:500台の蓄電池で仮想発電所を構築、エリーパワーらが実証

複数のエリアに分散する、合計約500台の蓄電池を統合制御して大規模な仮想発電所を構築する実証がスタート。エリーパワー、東京電力、関西電力ら9社による合同実証だ。

[スマートジャパン]

 エリーパワー(東京都品川区)2018年10月、東京電力ホールディングス(東電HD)と関西電力および国内9社と連携し、大規模なバーチャルパワープラント(仮想発電所、VPP)構築実証試験を同月より開始すると発表した。

 VPPは、分散化された電源をIoT技術などの高度なエネルギーマネージメント技術を使って統合制御することで、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組み。蓄電池を遠隔でコントロールし、電力逼迫時には放電、電力余剰時には蓄電を行うことで、電力の需給バランスを調整する。

 東電HDと関西電力はそれぞれアグリゲーションコーディネーター(AC)として、エリーパワーはリソースアグリゲーター(RA)として、実証実験を行う。

 今回の実証実験では、上位で統合制御するACの基幹システムからの指令に基づき、9社400台および一般家庭最大80棟に設置された蓄電池500台に対する充放電制御をRAであるエリーパワーが行う。これらの蓄電容量は1.6MWh(メガワットアワー)、出力は780kW(キロワット)に相当する。ACは、東電HDと関西電力が担当する。

 また、日本で初めてのケース(エリーパワー調べ)として、同じ建物内に分散して設置された可搬型蓄電システム数百台(ダイワハウス工業大阪本社ビル200台、東京本社ビル100台)の同時制御を行う。BCP対策として導入されている多数の蓄電システムを同時制御することにより、これまで既築のビルへの追加設置は難しいとされてきた、コンテナレベルの仮想大型蓄電システムの構築が実現するため、数百kWのVPP制御とともに、建物単位でのピークカット、ピークシフトが可能という。

実証実験のイメージ。左は実証全体、右はビル内の蓄電池を活用した仮想発電所のイメージ 出典:エリーパワー

 近年の電力インフラで蓄電池は、災害時などの電力喪失の緊急電源だけでなく、再生可能エネルギーの蓄電、電力の需給バランスの維持など、電力の効率的な使用に用いられることが期待されている。同実証試験を通し、従来のBCP対策による蓄電池の役割に加えて、VPPによる蓄電池のマルチユース化を進める。

 エリーパワーは2010年から蓄電システムに通信機器を搭載し、遠隔によりシステムの稼働状態をモニターするサービスを提供してきた。蓄電システムの累計出荷台数は今年度3万台を達成し、将来的にはこれらをVPPに活用することより電力の需給調整に役立てるとともに、さまざまなサービスを提案する方針だ。

 実証試験の期間は2019年2月後半までの予定。参加する企業はほかに、大和ハウス工業、大和リース、竹中工務店、三井住友ファイナンス&リース、エネサーブ、セコム、興銀リースなど。

 なお、同実証試験は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「平成30年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」の枠組みの中で行われる。

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