日揮が洋上風力発電に参入、社長直轄の専門組織を新設自然エネルギー

日揮はグローバルに市場拡大が見込まれる洋上風力発電事業への参入を決めた。2018年11月1日付で社長直轄の「ウィンドパワープロジェクト室」を新設し、案件の開拓から見積もり、プロジェクト遂行に至るまで、一貫して遂行する体制を構築する。

» 2018年10月30日 09時00分 公開
[スマートジャパン]

 日揮は、中期経営計画で掲げる再生可能エネルギー発電分野の事業領域拡大に向けた取り組みの一環として、国内・外で数多く計画されている洋上風力発電案件の設計・調達・建設(EPC)プロジェクトへの参入を目指して専門組織を設置し、本格的な取り組みを開始した。2018年11月1日付で社長直轄の「ウィンドパワープロジェクト室」を新設し、案件の開拓から見積もり、プロジェクト遂行に至るまで、一貫して遂行する体制を構築する。

 日本国内では政府が2018年7月に公表した「第5次エネルギー基本計画」で、風力発電分野を再生可能エネルギーの主電源の一つとして位置づけており、国内の総発電容量の約3分の1に匹敵する9000万kW(キロワット)の発電ポテンシャルがあるともいわれている。加えて国内では、これまで主に陸上風力発電が中心だったが、今後は洋上風力発電の拡大が見込まれ、北海道・東北・九州地方を中心に十数件のプロジェクト計画が存在し、新たな洋上風力発電市場として世界からも注目されているという。

 また世界においても、風力発電の出力量は、2017年末時点の5億3900万キロワットから、2022年には55%増加すると予測される。

 こうした新しい市場に対し、日揮は、世界約80カ国、2万件を超えるプロジェクトで培ったEPC計画全体を最適に取りまとめるプロジェクトマネジメント、土木・電気を中心とするエンジニアリング技術、グローバルな資機材の調達力などを生かし、積極的に洋上風力発電分野に参画する予定という。

 洋上風力発電分野への参入を早期に実現するための戦略の一つとして、多くの実績を持つ海外の同業他社をはじめ、国内外の重電メーカーなどとの協業も視野に入れて取り組むことにしている。

 既に同社は、国内での洋上風力発電プロジェクトのEPC受注を目指して事業化調査や基本設計を含めた営業活動を開始しているが、それと並行し、ベトナムや台湾などのアジア諸国における風力発電プロジェクトの受注に向けた営業活動も始めている。

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