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» 2018年11月07日 09時00分 公開

エネルギー管理:ローソンが「仮想発電所」に、電力コストを削減して需要家に還元

三菱商事とローソンが、コンビニの店舗を活用したバーチャルパワープラント(VPP、仮想発電所)事業への参入を発表。店舗の設備を遠隔制御して電力コストを削減し、こうしたコストメリットの一部を需要家に還元するという。

[スマートジャパン]

 三菱商事とローソンは2018年10月、両者が共同出資で設立したMCリテールエナジー(東京都港区)と共同で、コンビニ「ローソン」の店舗を活用したバーチャルパワープラント(VPP、仮想発電所)事業を開始すると発表した。電力需要予測システムや店舗設備の遠隔制御システムを活用して、電力需給バランスの調整や電力調達コストの削減を行い、こうしたコストメリットの一部を需要家側に還元する事業モデルの構築を目指すという。

 MCリテールエナジーは、三菱商事とローソンが共同出資で設立した電力小売事業者。「まちエネ」というブランド名で、首都圏エリアを対象に電力販売を行っている。

 ローソンは、2016年度から慶應義塾大学SFC研究所と共同で、経済産業省の需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業に取り組んできた。同社は今回、この実証の経験を生かし、小売電気事業者のMCリテールエナジーと連携し、リソースアグリゲーターとして、店舗機器の適時遠隔制御をなどを担う。

 例えば、卸電力取引市場における電力価格が高騰しそうな時間帯に、ローソン店舗の設備を遠隔制御することで省エネを図り、全体の電力調達コストを削減するといった取り組みを行う。これら全体のビジネスモデルの開発支援を三菱商事が担当する。

VPP事業の実施体制 出典:ローソン

 将来的には、全国のローソン店舗へこうしたVPPシステムの導入拡大を目指すとともに、店舗エネルギー利用の最適化だけでなく電力需給バランスの維持と電力系統安定化に寄与するエネルギー調整基盤の構築に貢献する方針だ。

 三菱商事は、近年再生可能エネルギー発電事業の普及や、それに伴う将来的な分散電源化への動き、電力システムのデジタル化などを踏まえながら、低炭素社会の実現を目指し、国内外で新たなビジネスモデルの創出に取り組んでいる。その一環としてローソンと共同で設立したのが、MCリテールエナジーで、これにより家庭向け電力小売事業への参入を果たした。

 同社は今後、電力システムへの応用が見込まれるAIやIoT技術、ビッグデータを有効活用することで、今回のVPP事業の発展を後押しするとともに、さらなる新事業の創出を目指す。

 MCリテールエナジーは、ローソンとの今回の取り組みを契機とし、その他商業施設・オフィスビル・一般家庭といったさまざまな需要家に対し、VPPシステムの展開を推進する。

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