秋田県に地熱発電所の新設計画、2024年の稼働を目指し環境アセス開始自然エネルギー

出光興産らが秋田県湯沢市で地熱発電所の建設に向けた環境アセスメントに着手。計画では2024年の運転開始を予定している。

» 2018年12月17日 09時00分 公開
[スマートジャパン]

 出光興産、国際石油開発帝石および三井石油開発は2011年から秋田県湯沢市の小安地域で、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の支援制度を活用し地熱開発の共同調査を行っている。このほど本格的な事業化推進を目的として、2018年12月7日付で「計画段階環境配慮書」を経済産業大臣、秋田県知事及び湯沢市長へ送付し、環境アセスメントに着手したと発表した。

 地熱発電は天候に左右されずに安定的に電力供給が可能な再生可能エネルギーとして注目されており、2011年に発生した東日本大震災以降、国立・国定公園内の地熱開発にかかる規制緩和や再生可能エネルギー固定価格買取制度施行に伴い、国内各地で調査・開発が進められている。

 このうち小安地域では、地下資源の探査・井戸の掘削・蒸気の供給など、地熱開発のノウハウを有する3社が共同で、噴出試験を含む地熱資源量及び経済性評価などによる事業化検討を行ってきた。

発電所の建設予定地と噴出試験の様子 出典:出光興産

 今回、その結果を踏まえ、本格的な事業化推進を目的として新会社の小安地熱(東京都千代田区)を立ち上げ、地熱発電所新設計画を策定。環境影響評価法に基づき、「かたつむり山発電所(仮称)」設置に関する「計画段階環境配慮書」を経済産業大臣らに送付し、環境アセスメントを開始することとなった。

 今後は、秋田県湯沢市小安地域で、二酸化炭素排出量抑制と電力安定供給に貢献するため、2024年の事業化に向けて地熱発電所建設を進めていく予定だ。発電所の出力は1万5000kW(キロワット)級で、2021年の着工、2024年の運転開始を予定している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.