波の力で電力を生む、湘南・平塚で波力発電システムが実証稼働自然エネルギー(1/2 ページ)

神奈川県平塚市の海岸で、波の力を利用して発電する波力発電装置の実用化に向けた実証実験がスタート。世界に先駆けた波力発電システムの実現に向け、産学連携の体制で約1年間の実証実験に取り組む期待のプロジェクトだ。

» 2020年06月09日 06時30分 公開
[スマートジャパン]

 神奈川県平塚市の海岸で、波の力を利用して発電する波力発電装置の実用化に向けた実証実験がスタートした。東京大学 生産技術研究所を代表とするグループが環境省の公募事業に採択されたプロジェクトで、世界に先駆けた波力発電システムの実現に向けて、約1年間の実証実験に取り組む。

実証稼働がスタートした平塚波力発電所 写真提供:平塚市

 このプロジェクトは東京大学 生産技術研究所の林昌奎教授らと平塚市が中心となって進めてきたもの。東京大学は、文部科学省東北復興プロジェクトとして岩手県久慈市に国内初の波力発電システムを設置した実績があり、平塚市には東京大学が管理する波浪観測施設「平塚沖総合実験タワー」がある他、県内有数の工業集積地としてさまざまな企業・技術が集積している。

 そこで両者はこうした地域資源と、大きなポテンシャルを秘めた波力発電の実用化を目指し、2016年に平塚海洋エネルギー研究会を設立。平塚新港における波力発電の実証事業に向けたシステムの研究開発を進めてきた。

 その後、2018年10月に環境省の「平成30年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(二次公募)」に採択。今回、経済産業省の使用前検査に合格し、既設送電線に系統連系して約1年間の実証実験をスタートさせた。

実証の概要 出典:東京大学
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