なかなか進まない再エネ導入、環境省が事業計画の策定を支援:自然エネルギー
環境省は再生可能エネルギーの中でも導入に長い時間がかかりがちな陸上風力発電、バイオマス発電、小水力発電、地熱発電、洋上風力発電の事業化計画策定を支援することを決め、支援対象事業者を発表した。
現在、全国各地でシステムの設置工事が進んでいる太陽光発電事業とは異なり、今回の支援対象となる再生可能エネルギー事業は、資源量や自然条件の調査、電力系統システムの情報入手、関係者との調整、地元住民との合意形成など、民間事業者の手に余る作業が大量に発生する。発電設備を建設する前に、事業計画の策定に時間と費用がかかるため、発電設備の稼働までに長い時間がかかるのだ。
環境庁は民間事業者の手に余る部分、つまり設備建設前の事業計画策定にかかる費用を支援することで、再生可能エネルギーの導入スピードを上げることを狙っている。
陸上風力発電、バイオマス発電、小水力発電については、2012年11月1日から11月16日の間に公募を実施し、16件の応募があった。審査の結果、そのうちの10件を支援事業として採択した(図1)。環境庁は1件当たり2000万円〜6000万円程度の委託費を支給する。
地熱発電と洋上風力発電は、2012年9月21日から10月19日の公募期間中に、6件の応募があった。審査の結果、4件を採択した。委託費は1件当たり2000万円〜1億円程度としている。
地熱発電や風力発電など、今回対象となったものは風況の調査、地熱量の調査など、事業可能性を探るための調査にもかなりの費用がかかる。しかも、費用をかけても事業として成り立たないという例もある。地域住民との合意形成が十分でないと、反対運動が発生して、計画を断念せざるを得ない。このような失敗を恐れて参入に二の足を踏んでいる事業者もいるはずだ。今回の環境省の取り組みのように、準備段階の作業に必要な資金を支援してくれれば、参入する企業も増えるだろう。
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