ニュース
東京23区でも小水力発電へ、高低差の少ない親水公園で調査開始:自然エネルギー
再生可能エネルギーの中で最も手軽に取り組めるのが小水力発電だ。幅の狭い用水路でも発電が可能なため、地方の工場や農地などで導入が進んでいる。東京の都心で水路が豊富にある江東区が設置に向けた調査を開始する。実現すれば東京23区では初の試みになる。
東京湾に面した江東(こうとう)区は、江戸時代に数多くの小島があった場所を埋め立てて造られた。現在でも水路が無数にあり、「水彩都市・江東」を掲げて街づくりを進めている。その豊富な水資源を活用して小水力発電に取り組む。2013年度の予算で740万円の事業経費を割り当てることが決まり、1年間かけて発電設備の設置調査を実施する。
候補地は区内にある3か所の公園で、いずれも河川から水路を引き込んだ「親水公園」である(図1)。高低差の少ない水路を対象に、水力発電で決め手になる有効落差、水量、水流をもとに発電量や設置・運用コストを試算する。法令の対応策や助成制度についても検討して、区内の各地に小水力発電設備を普及させるための準備を進める。
すでに2012年度に基礎調査を実施して、出力100kW以下の小水力発電設備でも街路灯などに電力を供給できる有効性を確認した。さらに発電設備を環境学習施設としても活用する方針で、「水彩都市・江東」のシンボルにする考えだ。
関連記事
- 水力発電に再び脚光、工場や農地で「小水力発電」
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(6) - 小さい落差でも大出力、日本最大規模の小水力発電
水流の高低差が2m以下でも発電 - 水利権取得の必要がない下水処理水を利用して小水力発電
富山県高岡市の「二上浄化センター」 - 小水力発電と太陽光で、農村が「スマートビレッジ」に変わる
日本列島エネルギー改造計画(9)栃木 - 東京都の新エネルギー戦略、640億円を投じて自立分散体制へ
電力会社に依存しない自立分散型のエネルギー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.