ブラジルで四輪車を生産販売するホンダの子会社Honda Energy do Brasilは、2013年4月24日、ブラジル南部の四輪車工場に風力発電を導入すると発表した。投資額は約1億レアル(約46億円)。ブラジル自動車業界初の大規模風力発電の導入事例になるという。2014年9月に発電を開始する予定。
導入するのはブラジル最南部のリオ・グランデ・ド・スル州シャングリラ市の工場(図1)。海岸線に近い。発電量3MWhのタービンを9基、合計27MWhの電力が得られる。年間発電量は約8万5000MWhであり、これは風力発電を導入した工場の四輪車生産活動に必要な年間電力量に相当する。
ブラジルは風力発電の新興市場だと捉えられている。世界風力エネルギー会議(GWEC:Global Wind Energy Council)は、2012年に発表した報告所において、ブラジルの導入量が前年比50%増の58万7000kW(587MW)に上り、総発電容量が150万kWを超えたと発表している。今回ホンダが投資したリオ・グランデ・ド・スル州は風に恵まれているため、例えば2012年には100基以上の大型風力タービンが州内に導入されている。
なお、ブラジルの再生可能エネルギー利用は、これまで水力、次にバイオマスが引っ張ってきた。2009年時点でブラジルの総発電量は世界第9位、そのうち83.9%を水力発電でまかなっている。ブラジルは植物由来のバイオエタノール生産量が世界第2位であり、最大の輸出国だ。
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